分離開幕決定!セ強行「3・25」パ延期「4・12」

[ 2011年3月17日 06:00 ]

3月25日開幕を迎える巨人・内海(左)と4月12日開幕を迎える楽天・岩隈

 東日本大震災により公式戦開幕が懸念されているプロ野球で、セ・パ両リーグの分離開幕が決まった。楽天の本拠地球場が被災するなど、25日開幕が難しい情勢のパ・リーグは16日、都内で臨時理事会を行い、開幕を4月12日まで延期することを決めた。一方、所属球団の受けた影響が比較的小さいセ・リーグは、選手側から開催に疑問の声が上がっている中で予定通り25日に強行開幕する方向。17日に発表される。

 前日に続いて行われた臨時のパ理事会。急きょ前夜に開催が決まった会議は4時間近くも議論が交わされた。継続審議となった開幕日。前日の時点で延期という方向性は確認していた。では、いつまで延ばすのか。被災した楽天の本拠地・仙台の状況、代替の本拠地の問題も考慮して4・12開幕が確定した。

 「いろいろ問題点をすり合わせ、開幕の方向性を話した。最終的な方向ではありません」。井上智治理事長(楽天オーナー代行)は慎重にそう話すと「営業面のこともあるが、チームがいつスタートするかという問題もある」。不安な中でも開幕へ準備しなければならない。選手のメンタル面への配慮からも発表を急ぐ必要があった。

 前夜、各理事会でセが25日強行開幕、パが開幕延期を決めて迎えた実行委。加藤良三コミッショナーが5項目の方針を示して熟考を促し、継続審議が決まった。それから約15時間後。延期という基本方針の上で確認したのが4月12日開幕だった。当初の日程では4月10日までで6球団が一通りの対戦を終了。同12日からが対戦カードの折り返しとなる。楽天が本拠地開幕となる同15日の案もあったが「球場が同じよりもカードが同じ方がフェアではないか」という意見が出て、あらためて仕切り直すという意味からも最適となったという。

 一方で、セ・リーグは25日開幕を前日の理事会で確認。被災地への配慮や電力事情、選手会の反発もあるが、本拠地に被害がないことからある球団幹部は「セはやれる範囲でやればいい。開幕準備を進め(電力事情などで)できないなら試合ごと中止すればいい」との見解を示した。セは17日に予定していた理事会を中止。最終判断は理事長預かりとし、17日に発表する方向で準備している。

 パの井上理事長は「セとすり合わせして、足並みをそろえてから発表したい。新(あたらし)さん(ヤクルト球団専務=セ・リーグ理事長)とも連絡を取ってます」と説明。17日にセ、パですり合わせを行う予定だ。セの開幕日次第でパも流動的ではあるが、セは3・25、パは4・12という分離開幕を、加藤コミッショナーの同席のもとに発表することになりそうだ。

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2011年3月17日のニュース