楽天 代替本拠地に“なじみ”の関西・神戸

[ 2011年3月17日 06:00 ]

練習を前に円陣を組む楽天ナイン

 東日本大震災で、本拠地のKスタ宮城(仙台)が被害を受けた楽天が、当面「ほっともっとフィールド神戸」(神戸市)を拠点として主催試合を行う方向で準備を進めていることが16日、分かった。球団初の本拠地開幕として準備を進めてきたが、被災した球場では延期が決定的な4・12開幕の試合実施は不可能とあって、球団では代替地を探していた。

 楽天は当面、本拠地での開催は難しいと判断した。復旧するまでは、神戸を中心に関西で主催試合を行う可能性が高くなった。

 「仙台は今の状況では使えないのは確か。代替で対応するしかない。選手やチームを思えば拠点の中心をおきたい。元近鉄ということを考えればなじみのある関西ということになるかもしれない」と井上智治オーナー代行は現状を説明した。

 東日本大震災で宮城県は甚大な被害を受けた。Kスタ宮城も修理が必要な状況に加えて、新幹線や飛行機などの交通アクセスも寸断されたまま。25日の初の本拠地開幕は到底不可能だった。球団関係者は「輪番停電を待っている関東でも難しい」と説明。兵庫県に本拠地がある阪神や「ほっともっと神戸」で今季15試合を主催するオリックスから全面的に協力するとの申し出も受けている中で、神戸市を拠点として主催試合を行う準備に着手した。

 チームは今後、Kスタ宮城で練習が行えないことから、今秋キャンプ地として内定している岡山県倉敷市を一時的な練習拠点とする動きも始めた。この日は岐阜県の長良川球場で全体練習を行ったが、中日とのオープン戦(ナゴヤドーム)を含めて20日まで名古屋に滞在。21日以降はオープン戦の実施次第で倉敷での練習を検討中だ。星野監督も「いろんなことを想定しないといけない。3、4パターンは考えている。岡山は岡山球場も倉敷球場もあるから可能性はあるよ」と話した。

 パ・リーグは4・12開幕が決定的だが、本拠地の復旧は先行き不透明。星野・楽天はしばらくは関西を拠点としてシーズンに臨む。

 ▽ほっともっとフィールド神戸 1988年3月に「グリーンスタジアム神戸」として開場。03年「Yahoo!BBスタジアム」に、05年「スカイマークスタジアム」にそれぞれ改称。今年2月に持ち帰り弁当店チェーンなどを展開する「プレナス」(福岡市)が命名権を獲得し、現名称となった。命名権は4年契約で、契約金額は年3500万円。内外野天然芝。両翼99・1メートル、中堅122メートル。収容人員3万5000人。最寄り駅は神戸市営地下鉄「総合運動公園駅」。

 ▼神戸市・矢田立郎市長(市が「ほっともっと神戸」を所有) 神戸でいくつか実施したいと言われるのであれば、協力を差し上げるのは当然。

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