横浜身売りへ 住生活Gなどと売却交渉

[ 2010年10月1日 06:00 ]

阪神に逆転勝ちし、笑顔でナインを迎える村田(中央)。チームの売却が検討されているとは…

 横浜ベイスターズの親会社、TBSが複数の企業と球団売却の交渉を行っていることが30日、明らかになった。02年1月にTBSが買収した横浜は、年間30億円とも言われる赤字を計上するなど球団経営が悪化。水面下で球団の売却先を探していた。

 巨人・渡辺恒雄球団会長(84=読売新聞社主筆)もこの日、横浜スタジアムと結ぶ球場使用権の契約が経営を圧迫していると指摘。新たな本拠地の候補に新潟を挙げるなど、身売りを後押しする発言を行った。
 TBSが球団売却の交渉を行っていることが分かったのは、住宅関連企業の大手「住生活グループ」、大手食品会社「日清食品ホールディングス」、IT企業「フェイス」の3社。いずれも国内の優良企業で、外資系企業が筆頭株主になることなどを禁じる野球協約上の参加資格に問題はないとみられる。ここまで水面下で交渉が進められてきたが、球団売却の背景には厳しい球団経営事情があった。
 01年オフ、ニッポン放送も絡んだ球団株式の売却問題の末にTBSが買収してから9年。04年の球界再編を経て、折からの不況の大波も受け、横浜に限らず、各球団の球団経営は相当悪化している。中でも横浜の経営事情は深刻で、年間の赤字は30億円とも言われている。買収当時、テレビ局という特性から巨人戦の放映権を最大限に生かした経営が期待された。ところが、巨人戦の視聴率は下降線をたどり、スポンサー離れから地上波の放送も激減。TBSが横浜球団の身売りに動いたのは、こうしたやむを得ない情勢からだ。

 ◇住生活グループ 東京・江東区大島に本社を置き、住宅設備メーカーの「INAX」、建材メーカーの「トステム」、住宅関連企業の「東洋エクステリア」を傘下にする持ち株会社。杉野正博代表取締役社長。49年設立で資本金は681億円。従業員数はグループ全体で約3万6000人。住宅関連事業、住宅関連サービスなどを展開する。

 ◇日清食品ホールディングス(HD) 東京・新宿区と大阪・大阪市淀川区に本社を置く食料品会社。安藤宏基代表取締役社長。資本金は約251億円。従業員はグループ全体で約7400人。日清食品、明星食品を中心とするグループ持株会社。日清食品はカップヌードル、チキンラーメンなどで有名。明星食品もチャルメラなどで知られている。

 ◇フェイス 京都市中京区に本社を置く92年創業のIT関連企業。平澤創代表取締役社長。資本金は32億1800万円で、従業員は117人。モバイルコンテンツソリューションや、オンラインゲームのソリューションを展開する。94年には日本で初めて、音楽データ(MIDI)の商業配信をパソコン通信のニフティとともに開始した。

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2010年10月1日のニュース