初のIK弾だ、大松2発だ!今季初5発でハム粉砕

[ 2010年5月5日 06:00 ]

3回、勝ち越し弾を放ち満員のスタンドを背にベース一周する金泰均

 【ロッテ10-1日本ハム】ゴールデンウイークにふさわしい幕張フィーバーだ。首位・ロッテは4日、今季初の1試合5本塁打で日本ハムに逆転勝ちした。井口資仁内野手(35)と金泰均(キム・テギュン)内野手(27)が初アベック弾を放てば、大松尚逸外野手(27)は2打席連発と14安打10得点で3連勝。今季最多3万34人で埋まった観衆を喜ばせた。昨季6勝18敗だった日本ハムに1分けを挟んで球団初となる開幕7連勝。今年のロッテはひと味もふた味も違う。

 超満員のスタンドが何度も揺れる。昨年5月13日のソフトバンク戦(北九州)以来となる1試合5本塁打。今季初のクリーンアップそろい踏みとなる一発攻勢に、西村監督も「僕としては楽。たまには一発攻勢もいい」と思わずほおを緩めた。
 1点を追う3回、井口が右翼席へ同点ソロ。チームを勢いづけると、井口を師と仰ぐ金泰均が2者連続、初のIKアベック弾となる左翼席上段への特大勝ち越しアーチで続いた。「井口さんが凄くいい打撃をして興奮した。いいイメージで打席に入って打ったのが、いい結果につながったと思う」。さらにサブローも2ランを放ち2年ぶりの1イニング3発。まだ終わらない。5回、大松が左越え5号ソロ。6回にも2打席連発の2ランをバックスクリーンに叩き込み、金沢から約30人で応援に駆けつけた父・三郎さん(58)らを喜ばせた。
 昨季リーグワーストの・256だったチーム打率は、ここまで12球団断トツの・294。1~5番が打率3割をマークしている。金森打撃兼野手チーフコーチの指導で、全員につなぐ意識が芽生えたのが好調の要因だ。ミートポイントは体の前ではなく、右打者なら右腰近辺でとらえるのが同コーチが推奨する理論。ギリギリまで引きつけることで球をしっかり見ることができ、確実性が増す。球の見極めも良くなり、四球も増える。実際、この日も10四死球を選び、計172四死球も12球団トップの数字だ。
 この試合でも初回だけで日本ハムの先発・吉川に33球を投げさせた。ファウルで粘るシーンも目立ち、ジワジワ重圧をかけて攻略するのが攻撃パターン。差し込まれて詰まらされる場面もあるが、金森コーチは「詰まったヒットこそ最高のヒット」という。基本は中堅から逆方向への打撃。左投手から左翼と中堅に本塁打した左の大砲・大松は「左投手から、あの方向にキッチリ打てたのが大きい」と振り返った。
 4月4日のオリックス戦(京セラドーム)は全19安打が単打。ツボに入ればこの試合のように長打でも畳み掛ける。最近5試合で6本塁打と絶好調の金泰均は「これからもたくさんアベック弾を打ちたい」と胸を張る。3連勝で6カードぶりの勝ち越し。しっかりつながり、一発もある強力打線の勢いは止まりそうにない。

 ≪バーガーも大ヒット連発≫千葉マリンのロッテリア限定で販売されている「キムチ・テギュンバーガー」(税込み単品400円)はこの日も大好評だった。同バーガーは金泰均が本塁打を打てば背番号52にちなんで52個限定、50円で販売。2戦連発が飛び出した3回の直後には約10分で52個が完売した。通常は1日400個前後用意するが、2本塁打した前日は2本目のアーチが飛び出す前に品切れ。この日は約600個つくる準備をしていた関係者は「万全な状態で備えていた」と説明した。

 ≪4年ぶりのそろい踏み≫ロッテが5本塁打の一発攻勢で大勝。チーム5ホーマーは昨年5月13日ソフトバンク戦以来だが、この日のようにクリーンアップそろい踏みは06年6月3日広島戦で福浦、ベニー、フランコがマークして以来4年ぶりになる。これで今季の2ケタ得点は両リーグ最多の6度目。昨年が10度だから早くも半数を超えた。チーム打率を昨年同試合時と比べると昨年はリーグ4位の・256だったのが、今季は・294。得点圏打率は・241から・316と格段に勝負強さが増している。

 ▼ロッテ・井口(同点ソロ)風が強くて押し戻されるかと思った。入って本当にうれしい。多くのファンが駆けつけた中、喜んでもらえるホームランが打ててうれしい。

 ▼ロッテ・サブロー(5号2ラン)井口さん、テギュンと凄いホームランを見せられて興奮した。ただ自分はいつも通りコンパクトなスイングを心掛けた結果、うまくインパクトできて飛んでくれた。

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2010年5月5日のニュース