大矢監督“解任”田代監督代行で交流戦へ

[ 2009年5月19日 06:00 ]

会見で言葉に詰まる大矢明彦監督

 横浜は18日、大矢明彦監督(61)の成績不振による休養を発表した。昨季は大きく引き離されての最下位に終わり、契約最終年となった今季もここまで13勝24敗で最下位に沈んでいた。借金10を“デッドライン”と見ていた球団は交流戦を前に決断。チーム内での求心力も低下しており、事実上の解任といえる。19日のロッテ戦(千葉マリン)からは田代富雄2軍監督(54)が監督代行を務め、2軍は高木由一チーフ兼打撃コーチ(60)が監督代行となる。

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 事実上の解任通告だった。横浜市内の球団事務所で佐々木球団社長が「休養」を発表してから約1時間後の午後3時。横浜スタジアムで会見を開いた大矢監督の目は真っ赤だった。
 「できれば交流戦からもう一度という気持ちはあった。プロの世界だから、こういう判断をされれば従うだけ」と感情を押し殺すように話した。「休養」についても「自分なりに解釈している。(復帰は)一般的な例を見ればない」と“解任”と受け止めた。
 球団が決断を下したのは、中日戦(ナゴヤドーム)で同一カード3連敗を喫した17日の試合後。この日朝、球団事務所に大矢監督を呼び、無期限休養を勧告した。その後、佐々木球団社長が田代監督代行を同席し、沈痛の表情で重い口を開いた。「当分の間休養してもらうことになった。後任は田代(2軍)監督が適任だと思った。休養の理由?交流戦前に借金が2ケタになった。それがすべて」。37試合で13勝24敗と最下位を迷走。「この流れを断ち切らないといけないと思った」と成績不振を理由に挙げた。
 ただし、フロントにも責任はある。大矢監督就任2年目の昨季は勝率・338で圧倒的な最下位。球団内に解任を求める声もあったが01年から過去3人の監督が2年も満たずに交代していることから、佐々木球団社長は「ここで辞めたら同じ事の繰り返し」と続投に踏み切った。長期ビジョンを強調する一方で、結果を早急に求める“矛盾”。今季は開幕6連敗でスタートすると、4月下旬には球団幹部が「借金が2ケタになったら話し合う」と“最後通告”。16日の中日戦で敗れて借金が10となった夜にホテルで会談、そして17日も敗れ命運が決まった。
 場当たり的な補強も大きな痛手を招いた。昨季途中、オフに正捕手の相川がFAになるにもかかわらず、第2捕手の鶴岡をトレードで巨人へ放出。今季も外野を守る外国人を希望したが、ジョンソンが一塁しか守れないため、昨季外野から一塁に転向した内川を再び左翼に回した。開幕戦では球団史上50年ぶりに松本、山崎と新人2人をスタメンに起用せざるを得ない苦しい戦力。主砲・村田が右太腿裏肉離れで開幕から離脱したが緊急補強はなく、チーム打率は12球団ワーストタイの・224と低迷していた。
 開幕37試合目での“監督交代劇”に、ナインも動揺を隠せない。19日から交流戦が始まるが、球団再建へいばらの道が続きそうだ。

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2009年5月19日のニュース