泣きじゃくった!デーブ打撃コーチのおかげ

[ 2008年9月27日 06:00 ]

<日・西>泣きながら赤田と抱き合う大久保コーチ

 【西武0―2日本ハム】真っ先に大泣きした。西武・大久保打撃コーチはベンチで片岡、栗山らヤングレオに次々と抱きつく。顔を真っ赤にし、子供のように泣きじゃくった。

 「こんなに泣いたことないよ。監督を胴上げできてよかった。もう幸せすぎて、死んでもいいよ」。誰よりも熱い男。5月7日の日本ハム戦ではサヨナラ勝ちに歓喜し、肉離れしたこともあった。猛打・西武の陰にはいつも大久保コーチがいた。
 開幕前の下馬評を圧倒的な攻撃力で覆した。26年ぶりのBクラスに転落した昨季は126本塁打。それがわずか1年で190発を超す重量打線へと変ぼうを遂げた功労者として大久保コーチの存在は欠かせない。
 昨秋、渡辺監督の要請で就任すると、メジャーからヒントを得た「アーリー・ワーク(早朝練習)」を導入。「朝に体を動かしたら食事の吸収もいいし、悪いことは何もない。夜間の練習では乳酸がたまったままで寝ても回復しない」。午後1時開始のホームデーゲームでは通常9時から全体練習だが、2時間前の朝7時から打ち込んだ。敵地でも室内練習場などを借りて、絶対的な練習量を増やした。
 また今季から新たに個別ミーティングを行った。大久保コーチとスコアラーとの2対1。打者ごとの攻め方の傾向を示された上で選手の意見を聞く。全体ミーティングでは「きょうは外角打ちを徹底しよう」と決めても個別ミーティングで内角を打ちたい選手がいれば、その理由を聞いた上でその意思を尊重した。「選手はみんな一緒じゃない。いろんな個性がある」。失敗をとがめない、のびのび野球が若手の才能を開花させた。
 ベンチでは渡辺監督とも抱き合い、泣いた。「オレは監督の怖い時代を知っている。でも今年は打たれた投手にも必ずねぎらいの言葉をかける。大きくなったなぁ」。指揮官を支えた大久保コーチの涙は個性派軍団の象徴でもある。

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2008年9月27日のニュース