“満塁男”関本 初の満塁弾

[ 2008年7月26日 06:00 ]

<阪神・中日>5回2死満塁、中日・川上から左翼ポール際へ本塁打を放つ阪神・関本

 【阪神7―1中日】さしもの満塁男も初めての一発だった。2―0の5回2死満塁。阪神・関本がフルカウントからの9球目、内角高めの直球に夢中でバットを出した。軸回転から放たれた白球は浜風に乗り、左翼ポール際へ吸い込まれた。2号満塁弾。プロ12年目、いや小学1年生からの長い野球歴でも「記憶にない」グランドスラムだ。

 「必死のパッチ(関西弁で必死に取り組むの意)でした。左翼線に落ちると思ったのが、浜風も強かった。どうやって打ったか覚えていないけど、自分でも不思議なくらいうまく打てました」
 直前の2死二、三塁から目の前で金本が歩かされた。マウンドには中日のエース川上。燃えないわけがない。これで今季の満塁時は7打数6安打14打点。本人は「たまたま」と謙そんするが「満塁男」の名にふさわしい打ちっぷりだ。
 腰痛の新井が先発出場できない中、打順は5番に昇格。桧山から「今まで通りにやれ」とアドバイスを受け、つなぐ意識を持ち続けた。初回には中前適時打で5番として初打点をマークし、8回の左翼線二塁打と合わせて今季9度目の猛打賞。1試合5打点もプロ初の出来事だ。チームは優勝マジックを44とし、岡田監督は「勝負を決めた一打だった」と称賛した。
 お立ち台にも慣れてきた。甲子園のファンへ「皆さん、自分の出したゴミは自分で持って帰ってください!」。以前からこのセリフを考えていたという。その心は…。「デーゲームの前、朝早くからおばちゃんたちが大きい掃除機でスタンドをきれいにしていた。いっぱいゴミがあったらしんどいでしょ」。この優しさもまた、関本の魅力だ。

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2008年7月26日のニュース