本庄一 ブラジルコンビが初甲子園導く

[ 2008年7月26日 06:00 ]

<上尾・本庄一>春夏通じて初の甲子園行きを決めた本庄一の2年生コンビ、投手の伊藤ディエゴ(左)と遊撃手・奥田ペドロ(右)がお互いの優勝メダルをかじる

 【本庄一4―3上尾】本庄一は伊藤ディエゴ、奥田ペドロのブラジル人留学生コンビを擁し、ノーシードから創部15年目で初の甲子園切符をつかみ取った。2点リードの8回から登板したエース伊藤が1点差に迫られながらも、右ひじの痛みをこらえ、気迫の投球でリードを死守。浦和学院との昨夏決勝では登板なく敗れた右腕は「夢をかなえられてうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 川越工の選手として甲子園に出場し、早大では1学年下の阪神・岡田監督と並んでベストナインを獲得した実績を持つ須長監督。06年に知人の紹介でブラジルに渡り「08年が(日本人のブラジル移住)100周年ということで“何かできないかな”と思っていた」と日系3世の伊藤と奥田に出会った。入学当初は言葉の壁もあったが「チームではすべて日本語で対応した」とあえて突き放した。だが、2人は練習後も寮で猛勉強する勤勉さで次第にチームになじみ、伊藤はエース、奥田は3番を務めるまでに成長した。奥田は3打数無安打に終わったが、自らが引っ張ってきた選手が活躍しての甲子園出場に、須長監督は「やっと夢がかなった」と声を弾ませた。
 今年3月に脳腫瘍(しゅよう)で倒れた母ローザさんに甲子園出場を約束していた奥田は「頑張ってる姿を見て元気になってもらいたい」。チームの躍進を支えてきたブラジリアンコンビを中心に、次は甲子園初白星を狙う。

 ▼本庄一(北埼玉)1925年創立の私立校。女子サッカーも強豪。

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2008年7月26日のニュース