ソフトバンクの全面勝利に

[ 2008年2月27日 19:43 ]

 根来コミッショナー代行が示した解決策はソフトバンクの全面勝利となった。今回の騒動を生んだ原因は外国人選手の契約に明確なルールがなく、慣例慣行に頼っていたことにある。

 オリックスと契約交渉をした経験を持つ米国の代理人は、今回も通常の手順を踏んでいた。だが、ソフトバンクは球団職員ではないブローカーとも称される人物を通じてパウエル側と交渉を続け、電撃的に契約合意にこぎつけた。
 パ・リーグの対応も混乱に拍車をかけた。両球団の統一契約書を形式的な審査で両方有効と判断してしまった。本人の事情聴取はしたが電話で20分ほどの簡単なもの。その結論として出た勧告は、当事者の情に訴える身内意識の強い解決策だった。
 コミッショナー事務局の関係者は「もしパウエルに米国で裁判を起こされたら負ける」と危機感を抱いていた。オリックスの提訴を受けた根来代行は両球団だけでなくブローカーと称される人物からも事情を聴くなど独自の調査をした。
 根来代行は「裏のことは言わない。裁判所ではないので調べることもできない」と表に出ている部分だけで判断せざるを得なかったという。
 国際化が進み、代理人など外部の人間が入り込むようになった今、身内の論理は通用しなくなった。球界全体で外国人選手の契約を考えなくてはいけない。

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2008年2月27日のニュース