大の里に勝った男 念願の世界一 疑惑判定パリ五輪の雪辱「村尾三四郎の柔道を見せてやろうという思い」

[ 2025年6月19日 01:00 ]

柔道世界選手権 ( 2025年6月17日    ハンガリー・ブダペスト )

 柔道の世界選手権男子90キロ級決勝で金メダルを獲得した村尾三四郎(左)と女子70キロ級で金メダルを獲得した田中志歩=17日、ブダペスト(共同)
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 男子90キロ級の村尾三四郎(24=JESエレベーター)が3度目の出場で初優勝を果たした。23年世界選手権で3位、昨年パリ五輪で銀メダルと順位を上げて、ついに念願の世界王者に。日本勢同士の決勝で昨年優勝の田嶋剛希(27=パーク24)を退けた。女子70キロ級は、田中志歩(26=JR東日本)が3度目の出場で初めて頂点に立った。

 村尾が圧倒的な強さで世界を制した。初戦から準決勝まで4試合連続一本勝ち。日本勢対決となった田嶋との決勝は得意の大内刈りや内股を何度も仕掛けて攻め続け、相手の指導3つによる反則で勝負を決めた。「徹底して自分の間合いで試合を続けられた」。力の差を示す完勝だった。

 昨夏のパリ五輪は“疑惑の判定”に泣いて銀メダル。「ここで立ち止まっている暇はない。まだまだ強くなれる」と休養を挟まず再始動して前を向いた。「何が何でも世界チャンピオンになりたい思いが強かった。村尾三四郎の柔道を世界に見せてやろうという思いだった」。パリの経験は大一番にピークを持っていく準備力に生かされ、万全の状態で雪辱の舞台を迎えた。

 日本勢同士の決勝は同階級では史上初。ロサンゼルス五輪代表を争うライバルとハイレベルな戦いを繰り広げ「外国人選手が強い階級なので、日本柔道が強くなっている証拠」と実感を込めた。男子日本代表の鈴木桂治監督は「お互い刺激し合っていく環境が続いていけば」とさらなる相乗効果を期待した。

 小学生時代には相撲の全国大会で今をときめく同学年の横綱・大の里を上手投げで破ったこともある24歳。「ここで終わらず、また次に向かってやっていきたい」。3年後の金メダルへ、さらなる進化を続けていく。

【田中 右膝ケガから復活】
 田中は初めての世界一に輝き「とてもうれしい。積極的にやろうと思ったのが勝ちにつながった」と喜びをかみしめた。22年の世界選手権3位決定戦で右膝を大ケガ。パリ五輪の代表選考から遠ざかり「どん底を経験した。世界選手権で優勝しないと借りを返せないと思って頑張った」と復活のストーリーを思い描いてきた。試練を乗り越え、ついに結実。3年後のロス五輪を見据え「さらに強くなっていきたい」と決意を新たにした。

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