【競歩】山西利和 世界新Vでつかんだ世界切符 昨年失格でパリ五輪落選 積み重ねた成果発揮

[ 2025年2月17日 04:45 ]

陸上 日本選手権20キロ競歩 ( 2025年2月16日    神戸市・六甲アイランド甲南大周辺コース )

男子20キロ競歩で世界新記録を樹立し、写真に納まる山西利和
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 9月の世界選手権(東京)代表選考を兼ねて行われ、男子は山西利和(29=愛知製鋼)が1時間16分10秒の世界新記録で4年ぶりの優勝を飾った。15年の鈴木雄介の記録を26秒短縮する快挙となった。女子は藤井菜々子(25=エディオン)が1時間26分33秒の日本新記録で3連覇。両者は日本陸連の派遣設定記録を突破した最上位者として代表に決まった。男子2位の丸尾知司(33=愛知製鋼)と同3位の吉川絢斗(23=サンベルクス)も代表入りが確実となった。

 10年ぶりに世界記録を更新しても、山西は顔色を変えることはなかった。従来の記録を26秒短縮してフィニッシュ。周囲の盛り上がりと対照的に冷静だったのは、それ以上を目指していたからだ。15分台も視野に入れていたことを明かし「終盤にペースが落ちなければ、いけるだろうと分かっていた」と淡々と振り返った。

 先頭集団でレースを進め、11キロ手前から丸尾と一騎打ち。13キロ付近でギアを上げると“独り旅”に。1キロ3分50秒を切るスピードを維持し、最後の2キロはさらにペースアップ。1年前に失意を味わい、その後に積み重ねた成果を示した。

 昨年の大会は厚底シューズへの対応に苦戦した影響で、歩型が乱れて失格。パリ五輪代表を逃して引退も頭をよぎったが、再起へと動き出した。東京五輪金メダリストの王者マッシモ・スタノ(イタリア)と何度も合同練習を実施。重りを持って下半身を鍛えるトレーニングで靴底の反発を生かせる体をつくり上げ、靴の選択にも時間を費やした。

 今大会は長く競ってきた池田向希(旭化成)が不在。「(池田が)いれば、もう一段追い込むことが必要だった。そのシビアさは残念ながらなかった」と話したが、4年ぶりの優勝で改めて実力を示した。過去に2度制した世界選手権が今回は自国開催。「昨年がなければ同じことの繰り返しだった。違う“世界線”に入れた」。1年前の失意も糧に2大会ぶりの頂点へ、東京で3度目の世界王座を狙う。(西海 康平)

 ◇山西 利和(やまにし・としかず)1996年(平8)2月15日生まれ、京都府出身の29歳。京都・堀川高で13年世界ユース選手権1万メートル競歩優勝。京大工学部に進み、20キロで17年ユニバーシアード優勝。世界選手権は19年、22年と2大会連続優勝。21年東京五輪3位。愛知製鋼所属。1メートル64。

 ◇世界大会と競歩 戦後の五輪では主に50、20キロで行われてきたが、距離が見直され、50キロは21年東京大会を最後に廃止。22年世界選手権からは男女とも35、20キロで開催された。昨夏のパリ五輪では42.195キロの男女混合リレーも開催された。26年からは35キロに変わり42.195キロ、20キロに変わり21.0975キロで競歩競技が行われる予定。

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