最強の松山 いざマスターズへ! 前哨戦7位で年明けから祭典までにV含む3度トップ10は初

[ 2024年4月9日 05:30 ]

米男子ゴルフツアー テキサス・オープン最終日 ( 2024年4月7日    テキサス州 TPCサンアントニオ=7438ヤード、パー72 )

16番、バンカーショットを放つ松山(AP)
Photo By AP

 首位と8打差の4位から出た松山英樹(32=LEXUS)は4バーディー、3ボギーの71で回り、通算8アンダーの7位だった。2月のジェネシス招待優勝を含め、今季3度目のトップ10入り。世界ランクは12位に上昇し、ショット精度はツアートップのスタッツをマーク。11日開幕の今季メジャー初戦、マスターズに向けて過去最高の仕上がりとなった。20アンダーのアックシェイ・バティア(22=米国)がプレーオフの末、通算2勝目を挙げた。

 マスターズ前哨戦は今季3度目のトップ10となる7位でフィニッシュした。それでも優勝戦線に絡めなかった一日に表情がさえないのが松山らしさ。「最悪です。ショットもパットも寄せも全部駄目」。そのいら立ちも自分への期待が高いからこそ。3年ぶりのグリーンジャケットを目指す次週の「祭典」を見据えているからだ。

 世界一の「グリーン周り」はこの日も光った。1番ではグリーン奥のバンカーから3打目を直接カップにねじ込みバーディー。だが松山には残り161ヤードの2打目をオーバーしたミスが引っかかった。「あんなところに外しているようでは話にならない」。12番でピンの根元を直撃する一打、251ヤードの13番パー3で1メートル強につけるショットも理想像はもっと上にある。

 それでも数字はうそをつかない。出場2戦連続のトップ10。2月のジェネシス招待優勝を含め、年明けからマスターズまでに3回トップ10入りしたのは参戦11年目にして15、19年に続く3度目、優勝を含めば今季が初めてだ。ガラスのグリーンと称されるオーガスタ攻略にはピンポイントでボールを落とすショット力とグリーン周りのアプローチが鍵を握る。今季はスタッツ上でも松山史上最強の部類に入っている。

 PGAの公式スタッツで各部門の貢献度を示すストロークス・ゲインド(SG)ではティーショットからグリーンに乗せるまでを示す「ティー・トゥー・グリーン」部門が全体3位。グリーンエッジから30ヤード以内のストロークを示す「アラウンド・ザ・グリーン」部門は全体1位。つまりグリーン外の精度は世界最高峰のツアーでも頂点に君臨する。

 世界ランク1位のシェフラー(米国)が2年前にマスターズを制した際もSGティー・トゥー・グリーンで1位だったようにマスターズは、ショットメーカーが制す可能性が高い。日本のエースは「今のままじゃ大変な思いをする。しっかり準備して良いプレーができるようにしたい」と気を引き締めた。ゴルフの祭典は11日に開幕する。いざ2度目の戴冠へ、松山は8日、決戦の地オーガスタに入った。

 ▽ストロークス・ゲインド(SG) PGAが11年から採用しているデータの概念。寄せのうまい、下手にも左右される平均パット数などの絶対値に対し、SGは基本的には出場した全選手の平均値に対する相対的な力量の差を数値化している。SGティー・トゥー・グリーンは第1打からグリーンに到達するまで、SGアラウンド・ザ・グリーンはグリーンエッジから30ヤード以内の貢献度を示す。プラスであれば平均より貢献、マイナスであれば損していることになる。現在SGティー・トゥー・グリーン1位はシェフラー、2位はシャウフェレで3位に松山。松山が1位のSGアラウンド・ザ・グリーン2位にはスローンがつけている。

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2024年4月9日のニュース