斉藤立 パリで雪辱、父子で金メダルを!絶対王者にあと一歩 五輪では「勝てる」

[ 2024年4月2日 04:45 ]

柔道グランドスラム・アンタルヤ大会最終日 ( 2024年3月31日    トルコ・アンタルヤ )

男子100キロ超級決勝 テディ・リネールと対戦する斉藤立=アンタルヤ(共同)
Photo By 共同

 リベンジはパリで必ず!男女計5階級が行われ、男子100キロ超級でパリ五輪代表の斉藤立(22=JESグループ)は2位だった。決勝では2連覇を含む五輪4大会連続メダルの絶対王者ことテディ・リネール(フランス)と対戦。敗れたものの相手を追い詰める好内容で、4カ月後に迫った五輪本番へ大きな手応えをつかんだ。

 絶対王者を追い詰めながら仕留めきれず、通路で思わず「あー!何でや。勝負できたやろ…」と叫んだ。そして、涙。初対戦だった昨年5月の世界選手権では打開策なく、延長戦の末に最後は指導3で反則負け。今回は逆に指導2で追い詰めたが、なおも壁は厚かった。斉藤は「決勝はスタミナ切れも全然なかった。自分の方が圧倒的に攻めていた。悔しい」と言葉をつないだ。

 上背を生かし、奥襟や背中を叩く相手の右釣り手を徹底的に殺す策が功を奏した。1分30秒、内股で体を浮かせて1つ目の指導を引き出すと、1分後には2つ目で追い込んだ。残り30秒、再び内股を放ったが、逆に返し技で技ありを奪われた。「崩しが甘かった。本当に(技ありを取られた)あの一瞬だけだった」と振り返ったが、10カ月前からの進境は明らか。勝者の表情に余裕がなかったのはその証左でもあった。

 84年ロサンゼルス、88年ソウルと2連覇の亡き父・仁氏との日本柔道史上初となる父子金メダルへ、再び壁となって立ちはだかるであろうリネール。「もう勝てると思う。何も怖くない。自分はまだまだ強くなるし伸びしろしかない。五輪まであと4カ月。やり切る」。五輪では大アウェーが予想されるが、恐れることはない。今も心の中で生きる父と共に、偉業へ挑戦する。

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