「絶望的」残り10秒から大逆転でパリ切符 レスリング尾崎野乃香「私ならできる」五輪本番でも金宣言

[ 2024年1月27日 15:11 ]

レスリング パリ五輪女子68キロ級代表決定プレーオフ ( 2024年1月27日    東京・味の素ナショナルトレーニングセンター )

女子レスリング68キロ級プレーオフ<石井亜海・尾崎野乃香>プレーオフを制し喜ぶ尾崎野乃香(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 女子6階級で唯一五輪代表が決まっていなかった68キロ級のプレーオフが行われ、昨年12月の全日本選手権を制した尾崎野乃香(20=慶大)が、世界選手権5位の石井亜海(21=育英大)を5―4で下し、初の五輪代表に決まった。日本女子はこれで全6階級の代表が出そろった。

 絶体絶命の大ピンチから、見事な逆転劇でパリへの切符をつかんだ。終始リードしていた尾崎だが、残り10秒でテークダウンを取られ、3―3で並ばれる。ラストポイントのルールにより、このままでは敗戦。セコンドはいちるの望みに託してチャレンジしたが、失敗して3―4とされた。

 「あの時は絶望的だった。もうこれで終わってしまうのかという心境だった」。チャレンジには失敗したが、ポイントを奪われた残り9秒89に巻き戻されてリスタート。最後は「自分の武器になってから、自分で考えてやってきたもの。染みついている」というフェイントから相手の奥足に入る片足タックルが決まると、バックを取って2点を奪い逆転。審判の右手が挙がったのは、残り3秒だった。

 「もう本当に、何とも言えないというか、うれしい気持ち。夢に一歩近づいたっていう間隔は、まだない」

 五輪切符獲得の道のり自体が、この日と同じような土壇場の逆転劇だった。現役慶大生として64年ぶりの世界選手権出場となった21年には、62キロ級で銅メダルを獲得。翌年の全日本選抜選手権では東京五輪金メダルの川井友香子を破って2大会連続出場を決めると、初の世界女王となってパリ五輪への道は大きく開けた。だが五輪予選を兼ねる23年の世界代表を逃し、ライバルの元木咲良が銀メダルを獲得したことで代表に内定。唯一、代表が決まらなかった68キロ級に転向し、昨年末の全日本、プレーオフと連勝して切符をもぎ取った。

 レスリングでは現役、卒業生を含め、初の慶大出身者の代表入り。湘南藤沢キャンパスにある環境情報学部に通い、レスリングを通じて興味を持ったイスラム文化を学ぶゼミに所属する。前日もリポートに追われたというリアル文武両道ガール。「68キロ級は重量級で、難しいと言われるかも知れないが、私は金メダルを狙っている。私ならできると心の底から思うし、国を代表して行くので責任を果たしたい」。“逆転の尾崎”が、パリでもドラマチックなレスリングで魅了する。

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

スポーツの2024年1月27日のニュース