鍵山優真V 「ホッとした」初GPファイナル フリー&合計で今季自己最高

[ 2023年11月26日 04:33 ]

フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第6戦NHK杯最終日 ( 2023年11月25日    大阪・東和薬品ラクタブドーム )

<NHK杯第2日>優勝し笑顔の鍵山優真(撮影・小海途 良幹)
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 男子は、22年北京五輪銀メダリストでショートプログラム(SP)首位の鍵山優真(20=オリエンタルバイオ・中京大)がフリー2位の182・88点を出し、合計288・39点で制した。変則開催だった20年以来3年ぶり2度目の優勝で、GP通算4勝目。2年前は出場権を得たものの中止となったGPファイナル(12月、北京)に初出場する。世界選手権2連覇中でSP2位の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)がフリー1位の186・35点、合計286・55点で準優勝し、GPファイナル出場権を獲得した。

 暗い雰囲気だったキス&クライが、一気に明るくなった。鍵山は得点を確認すると、満面の笑み。「最初はちょっと分からなかったんですけど、順位を見たときに1位で凄いホッとした」。フリー、合計とも今季自己最高点。世界王者・宇野の猛追を1・84点差でかわしての頂点だった。

 冒頭の4回転サルコーで出来栄え評価(GOE)4・30点の加点を引き出す滑り出し。後半の3回転半で転倒して「やっちゃった」。それでもスピン、ステップを最高のレベル4でそろえてみせた。「転んだのは凄く悔しいけど、それ以外の要素は落ち着いてできた」。今季のフリーは雨をテーマにしたピアノ曲。激しい雨を連想させるかのような激しいステップで魅了した。

 今季、鍵山は考えた。「自分の個性を見つけたい」。五輪銀メダリストとして歩み出した昨季、左足首の負傷でGPシリーズを欠場するなど消化不良だった。完全復活のための突破口として表現力を磨くため、今季から元世界女王のカロリナ・コストナー・コーチにも師事。目線や指先など細部にまでこだわり、これまで使わなかった筋肉が悲鳴を上げた。その成果の一端が表れたが、父・正和コーチを含め「3人で同じ目標を持って、この先もずっとレベルを高めていけたら」。目指すべき理想は高い。

 次戦は自身初出場となるGPファイナル。「狙えるところは、しっかり狙っていきたい」。2季ぶりのGPタイトルが、熱い思いをよみがえらせた。

 ≪宇野V3逃した≫宇野はループ、フリップなど4回転3種4本を着氷して猛追。それでも、その4本とも回転不足判定を受け、3連覇を逃した。これ以上ない出来のジャンプだったと振り返り「これが基準になるなら、これが僕の限界。これ以上、僕に先はないなと思わされる試合だった」と語り「試合に出る意味を揺らがされるような試合だった」とも明かした。それでもフリーと合計は今季自己最高で「良い演技だったと思います」と総括した。

 ≪女子日本勢最高は青木5位≫女子は、初GP参戦の青木がSP8位から日本勢最高の5位まで順位を上げた。フリーでは持ち味の3回転ルッツ―ループを回避。大崩れしない演技を見せ「大舞台でSP、フリーをまとめてできたのは本当に自信になった」とうなずいた。年末の全日本選手権(長野)では自己最高の7位以上を目指す。右足首の負傷で今季初戦だった三原は8位。大技3回転半に挑んだ樋口は9位に終わった。

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