退任のジョセフHC 日本ラグビー界へ最後の提言 代表強化が難しい構造を指摘

[ 2023年10月11日 21:23 ]

<ラグビー日本代表帰国>花束を手に笑顔の姫野(左)ジョセフHC (撮影・白鳥 佳樹)
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 ラグビーW杯フランス大会の1次リーグで敗退した日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、53)、No・8姫野和樹主将(29=トヨタ)らが11日、成田空港に帰国し、成田市内で総括会見に臨んだ。今大会を最後に退任するジョセフHCは、再びトップ8に駆け上がるための提言と、将来は再び日本に戻ってくることを約束した。

 代表ヘッドコーチとして最後の会見に臨んだ闘将は、ずっと険しく、どこか寂しい表情を浮かべていた。7年間のヘッドコーチ時代はもちろん、高3だった87年に初めて訪れ、95年からは現役生活を過ごした日本との別れ。「コーチとして選手として、日本でたくさんのことを学んだ。また戻ってきたい。ここは第2の故郷」と言葉をつないだ。

 1次リーグ最終戦のアルゼンチン戦に敗れ、2大会連続の決勝トーナメント進出を逃した。「残念な結果だったが、選手を誇りに思う。出し切ってくれた」と称えた一方、目標に届かなかった事実は厳然と残る。当初は27年までの続投を望んだものの、日本協会との折り合いが付かず。いわば物別れの退任だが、最後に愛あるメッセージを送った。

 「日本のラグビーは大学スポーツであり、企業スポーツでもある。そこから代表チームを作り上げ、トップの国と戦い、8強、4強に行くための準備をしないといけないが、それはできていない(現状がある)と思う」

 現場のコーチングスタッフ、選手の努力で15年大会は歴史的3勝を挙げ、19年大会は史上初の8強入りを果たした。だが足元の構造は、大きな変化がないまま時間だけが流れている。日本ラグビー、変わるべし――。大きな背中を揺らし、会見場を後にした。

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