松山英樹、30歳の現在地 「“10”いきたい」けど…まずはPGA9勝目 チェ・キョンジュの記録抜く

[ 2023年1月5日 06:00 ]

笑顔でゴルフボールを見つめる松山(撮影・会津 智海)
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 米ツアー通算8勝の松山英樹(30=LEXUS)が都内でインタビューに応じた。21年にマスターズでメジャー初制覇を果たし、昨年2月25日には節目の30歳を迎えた。松山の考える「現在地」とは――。そして、米ツアー本格参戦10季目となる22~23年シーズンへの思いを語った。(聞き手 牧野 真治、中村 文香)

 世界最高峰の選手がしのぎを削る舞台、米男子のPGAツアーにおいて松山は21~22年シーズンで2勝を挙げた。21年10月のZOZOチャンピオンシップと22年1月のソニー・オープン。ただし、シーズンを通じてという部分ではケガとの戦いでもあった。

 「いいスタートは切れたけど、その後はケガがなかなか治らなくて、最後まで終わってしまった感じですね。これだけケガが多くなった。年齢なのか、ケアの仕方が悪かったのか。でも終わったこと。次は、痛みが出ないようにつくっていく」

 13年4月2日にプロ転向を宣言し、海外メジャー制覇を目標に掲げた。そこから10年。21年にマスターズで悲願のメジャー初勝利をつかみ、ここまでアジア勢最多タイの8勝を積み上げた。当時の松山から見て、今の自分はどう映るのだろう。しばし柔和な表情で考え、言葉を続けた。

 「うまくいってる部分と、思い描いたものではないっていう。その時に持ってた自信と、今の自信は多分違う…。褒めてあげたいか?微妙ですね。自分のゴルフを見失っている部分もある。自信がその当時に比べたら多分ない。そういう意味では、やっぱり微妙な判断になりますよね」

 自分に厳しい松山らしい答えだった。22年は節目の30歳を迎えた年でもあった。自身の現在地を、どう捉えているのか。

 「まだ10年、3分の1も来てないのかなと。20年たったら50歳でシニアで楽しむのかな(笑い)。しっかりケアもしなきゃいけないし、それまではPGAツアーでやりたい。ゴルフが楽しいか?痛みが出なかったら、楽しいですよ。やりたいことがだいぶ定まってきている。それができる体であってほしいというのが、切実な願い」

 昨秋に開幕した22~23シーズンは本格参戦10季目だ。ここまで4試合で最高成績は25位。昨年最終戦のヒューストン・オープンを棄権で終えた。

 「今シーズンが始まってる中で成績を出せていない。23年は凄くプレッシャーかかってるっていうか、自分にプレッシャーかけている。しっかりしなきゃって。ここまで悪くなって年明けを迎えることはなかった(笑い)。いい方に転ぶか、悪い方に転ぶのかは分からないけれど楽しみ」

 ポイントレース上位30人だけが出場できる最終戦、ツアー選手権に9年連続で出場中。22~23年シーズンも「絶対に入りたい」と語った上で、具体的な目標を口にした。

 「やっぱり8勝目を挙げたんで、9勝目でKJ(チェ・キョンジュ)さんの記録も抜きたいです。“9”だったら区切りのいい“10”にいきたいですしね。まずは9勝目を挙げないといけない。それに向けて頑張りたいです」

 視線の先はアジア勢単独トップとなる通算9勝目。もちろん、ゴールはもっと先にある。

 ≪23年初戦はセントリー・チャンピオンズ≫松山は5日に開幕するセントリー・チャンピオンズ(ハワイ州マウイ島)で23年の初戦を迎え、翌週12日開幕のソニー・オープン(ハワイ州オアフ島)に前年覇者として臨む予定だ。体の状態については、「回復傾向にはなっている。それが試合ではどうなのか、年明けに分かること」と語っていた。30代初Vに挑む戦いにもなる。

 ◇松山 英樹(まつやま・ひでき)1992年(平4)2月25日生まれ、松山市出身の30歳。4歳でゴルフを始めて高知・明徳義塾高で全国優勝。東北福祉大2年だった11年11月に日本ツアーでアマチュア初優勝。プロ転向した13年に賞金王となり、同年秋から米ツアーに本格参戦して14年に初優勝。21年4月のマスターズで日本人男子史上初のメジャー制覇。日本ツアー8勝、米ツアー8勝。1メートル81、89・8キロ。

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