米国で北京五輪の視聴者数が激減 平昌五輪と比べて54%も減少 冬季五輪最少数

[ 2022年2月9日 09:17 ]

4日に行われた北京冬季五輪の開会式(AP)
Photo By AP

 北京冬季五輪を米国内で放送しているNBCの視聴者数が予想以上に減少。開会式当日の平均視聴者数は1280万人で、これは2018年の平昌五輪の2780万人から54%減となった。

 競技がすでに始まっていた開会式前日の3日は800万人で、AP通信によればこれは夏季五輪だった東京大会の閉会式の900万人を下回ってゴールデンタイムの五輪中継としては過去最少の視聴者数。5日は1360万人で、6日は1370万人と若干持ち直しているが、放送開始からの4日間は米国では五輪史上過去に例のない低い数値となっている。

 東京五輪の米国での視聴者数は2016年のリオデジャネイロ五輪よりも47%減少。1日の平均視聴者数が2000万人を超えたのは17日間の大会期間中、1日だけだった。平昌五輪でも2006年以降の冬季五輪としては初めて一度も3000万人を超えておらず、時差の大きいアジアからの五輪中継は米国では“苦戦”を続けている。

 この背景には中国の人権問題に端を発するNBCへの国内からの批判、米中間の経済摩擦、新型コロナウイルス感染拡大の影響など挙げられており、スポーツ中継のコンサルティング会社を経営しているニール・ピルソン氏は「開催が中国に決まった段階からネガティブな要因があったが、今年は五輪に興味を示さない人が米国には多い」と分析。東京五輪からの間隔が半年と短かったことも視聴者数減少につながったという見方も出ている。

 ただし1月31日から2月6日までのゴールデンタイムで視聴者数の多かった番組上位の4つはいずれも五輪関連で、ストリーミング配信による五輪視聴時間は最初の4日間で総計「10億分」を突破。これは冬季五輪史上最速ペースで、今週末までには平昌五輪で記録した「21億7000万分」を超えると見られている。

続きを表示

2022年2月9日のニュース