日体大・畠中悠生乃、慈善家スキーヤーへ一歩 北海道医師会にゴーグルなど寄付

[ 2020年6月30日 05:30 ]

畠中(左)は北海道医師会の(左から)藤原秀俊副会長、長瀬清会長、深沢雅則副会長に物資を贈呈した
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 一昨年の全国高校スキー女子大回転で優勝し、札幌第一から今春に日体大に入学したアルペンスキーの畠中悠生乃(18)が29日、新型コロナウイルス感染症と闘う医療現場で役立ててほしいと、スキー用ゴーグルなどを北海道医師会に寄付した。選手として五輪やW杯での金メダルを目指す畠中にとって、慈善活動はかねて描いたもう一つの夢だった。

 畠中が今回寄付したのはスキー用のゴーグル46個とポンチョ3枚、フェースシールド60個と保護ゴーグル26個。自身が使う用具のメーカー「UVEX」と「HEAD」、平昌五輪日本代表・湯浅直樹らスキー選手、札幌第一スキー部の押切敬司監督らの協力を得て集めた。贈呈式で「少しでも医療従事者の方の負担軽減になれば」と話すと、道医師会の長瀬清会長から「物資はいくらあっても足りない状態。畠中さんのような若い方からの自発的な寄付に感激している」と感謝された。

 コロナ禍で大会は相次いで中止。練習もできなくなった。進学した日体大にも通えない中、友人のアルペンスノーボード選手・三木つばきが4月に同様の活動を行ったのをSNSを通じて知り「私にもできることがある」と思い立った。三木の寄付のきっかけも海外アスリートが行った寄付だと聞いている。「私の活動もSNSで報告するので、知ってもらいたい。小さなことでもたくさんの人が協力すれば、凄く大きな力になる」と慈善の輪の広がりに期待した。

 札幌藻岩中1年時、所属していたスキーチーム「玉越ストリームレーシング」の松崎孝弘コーチの紹介で「少年少女国連大使」に応募し、1年間活動した。「貧困や自然災害に苦しむ人々のことを学び、慈善活動に携わりたい思いが生まれた」。身近なゴーグルの有用性を知ったことが、持っていたマインドを喚起し、初めて寄付という「形」になった。

 夢が2つある。選手として「五輪、W杯で金メダルを獲ること」。もう一つは「ゴーグルやウエアを作る自分のブランドを持つこと」で、「会社を建てて寄付などの活動をしていきたい」と話す。五輪に4度出場し、アパレルブランド「エムシ」を立ち上げた佐々木明は目指す姿。スキー選手と慈善家、2つのキャリアでパラレルを描く。

 ◆畠中 悠生乃(はたなか・ゆきの)2001年(平13)10月12日生まれ、札幌市出身の18歳。札幌藻岩南小1年で競技スキーを始める。札幌藻岩中2、3年時に全国中学大会で大回転2位。札幌第一1年時に全国高校大会で大回転優勝、回転2位。2年時に全日本のU―18強化指定選手に入った。1メートル59、54キロ。

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