沙羅“ラージ克服”4勝目「得意なジャンプ台ではない」も圧勝

[ 2017年1月9日 05:30 ]

W杯ジャンプ女子第5戦   ドイツ・オーベルストドルフ=HS137メートル、K点120メートル ( 2017年1月7日 )

ノルディックスキーW杯ジャンプ女子で今季4勝目を挙げた高梨沙羅。ジャンプの男女を通じて歴代単独2位の通算勝利数を48に伸ばした
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 昨季総合女王の高梨沙羅(20=クラレ)が131メートル、129メートルの合計283・4点で今季4勝目を挙げた。ジャンプの男女を通じて歴代単独2位の通算勝利数を48に伸ばした。今大会は女子W杯では数少ないラージヒルでの開催。高梨は新年初戦で安定した飛躍をそろえ、2位のイリーナ・アバクモワ(ロシア)に22・9点の大差で圧勝した。2回目に131・5メートルを飛んだ伊藤有希(土屋ホーム)が今季3度目の表彰台となる3位に入った。

 W杯のラージヒルでは過去5戦4勝だった。ただ高梨は前日に「自分の中ではあまり得意なジャンプ台ではない」と漏らしていた。同じ会場のノーマルヒルで戦った経験はあるが、隣のより大きなジャンプ台での試合は初めてで、踏み切り直前の傾斜が緩やかな特徴にいい印象はなかった。それでも本番では別格の力を発揮して圧勝した。

 不利な追い風が吹く1回目は「(体が)突っ込む癖が出ないように、しっかりキープしなければ」と自らに言い聞かせたという。131メートルの大ジャンプでリードを奪い、2回目は他選手よりも1メートル以上低いスタート位置から129メートルを飛んだ。

 ノーマルヒルと比べて「浮力感が倍というか、伸びていく感じはラージじゃないと体感できない」と変化を楽しむ余裕もあった。観客席では日の丸が振られ「いいところを見せたいと、モチベーションも高く臨めた」と笑顔。優勝インタビューではドイツ語で「ダンケ(ありがとう)」とあいさつし、歓声を浴びた。

 今季は5戦4勝と絶好調で、2季連続4度目の女王へ着実に前進する。日本では9日に成人の日を迎えるが、実力も経験も既にベテラン顔負けの20歳は新たな年を幸先よく滑り出した。

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2017年1月9日のニュース