御嶽海 豪栄“先輩”を初撃破 場所前に急性腸炎も

[ 2017年1月9日 05:30 ]

大相撲初場所初日 ( 2017年1月8日    両国国技館 )

<大相撲初場所1日目>豪栄道を寄り切りで破る御嶽海(右)
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 西前頭筆頭の御嶽海(24=出羽海部屋)が会心の相撲で同じ出羽海一門の番付最上位、大関・豪栄道(30=境川部屋)を破った。立ち合いで先手を取って休まず前に出て、もろ差しから寄り切り。急性腸炎で3日の出羽海一門の連合稽古を欠席したが、そこからきっちり調整し、天覧相撲で殊勲の星を挙げた。38度目の優勝を目指す白鵬(31=宮城野部屋)ら3横綱は安泰。昨年の年間最多勝の大関・稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)も白星発進となった。

 休まず攻めて、結果を出した。突き合いで先手を取った御嶽海はひたすら前に出た。豪栄道の捨て身の首投げにも動じない。もろ差しから体を密着させて相手の上体を起こして寄り切った。「自分の立ち合いができてよかった。休まず前に出ることで勝機が出ると思っていたが、(それが勝ちに)つながったんじゃないですか。一門の大先輩に勝てたのはうれしい」。3度目の対戦で初めて豪栄道を破り、支度部屋では声も弾んだ。

 休んだものの、結果を出した。古くから角界の中心を担っている名門の出羽海一門は年明けに連合稽古を行っているが、一門の期待を担うホープは急性腸炎のため3日に春日野部屋で行われた連合稽古を休んだ。だが、幸いにもすぐに回復。翌日には稽古場に下りて体を動かし、5日には出稽古に来た春日野部屋の関取衆と稽古を行い、なんとか初日に合わせた。この日は「もう問題ない」と万全の状態で迎えていた。

 一方で出羽海一門の番付最上位の豪栄道は腰に違和感がありながらも連合稽古に参加していた。栃ノ心、碧山と10番の稽古を行い攻め込まれる場面が目立ったが8勝2敗と気迫を見せた。だが、これで逆に腰の違和感を引きずることに。一発勝負は皮肉な結果となった。

 新小結だった九州場所は上位陣の壁にはね返され中日まで1勝7敗だったが、後半に踏ん張り6勝を挙げた。逆境に立っても気持ちを切らさなかったことで前頭筆頭にとどまった。今年の初詣は東京・浅草寺に出向き、おみくじは「凶」だったが、それすらも「それ(凶)より悪いことはないから」とプラスに捉えている。きょう2日目は横綱・日馬富士戦。勝利の余韻はつかの間、休む間もなく初金星を狙っていく。

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2017年1月9日のニュース