リオ五輪&パラ、ロシア全面排除勧告 WADAが国家ぐるみと断定

[ 2016年7月20日 05:30 ]

 世界反ドーピング機関(WADA)は18日、調査チームがまとめたロシアの組織的ドーピングの実態を発表。同国のスポーツ省が主導して禁止薬物使用の痕跡を隠蔽(いんぺい)する国家ぐるみの不正が行われたと断定し、国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)に対し、リオデジャネイロ五輪・パラリンピックからロシア選手団を全て排除することを勧告した。

 IOCは19日の緊急電話理事会で処分を協議したが、決定を先送り。ロシア全体への処分を決めるに当たり、国際陸連がロシア陸上チームの五輪参加を禁じた決定に関するスポーツ仲裁裁判所の21日の裁定を考慮する必要があるとした。

 理事会では14年ソチ五輪に参加したロシア全選手へのドーピング再検査や、ロシア国内で実施される冬季競技の主要大会の準備を凍結することも決定した。

 陽性の隠蔽は312件におよび、WADAの調査逃れのために廃棄した検体数は8000以上。不正を告白したモスクワの検査所の元所長は、ウイスキーなどに溶かして頬の粘膜から吸収させる「侯爵夫人」という名の薬物カクテルを開発して選手に与えたことも暴露。14年ソチ五輪では検査所内の壁に穴を開けて検体をすり替える「ネズミの穴作戦」も行われたことが判明。ソチ五輪では参加国・地域最多13の金メダルを獲得した。

続きを表示

2016年7月20日のニュース