NBA続々辞退 どうなる米国の五輪3連覇

[ 2016年6月11日 16:07 ]

五輪の米代表入りを辞退したサンダーのウエストブルック(AP)

 NBAウォリアーズのステファン・カリー(28)、スパーズのラマーカス・オルドリッジ(30)に続き、リオデジャネイロ五輪の米国代表最終候補に名を連ねていたサンダーのラッセル・ウエストブルック(27)とロケッツのジェームズ・ハーデン(26)が10日になって代表入りを辞退。2人とも具体的な理由は述べていないが、12年のロンドン五輪と14年のW杯で重要な役割を果たしたガード2人の名前がリストから消えることになった。

 ウエストブルックは昨季にNBAの得点王となり、今季はトリプルダブルを18回達成している万能型のポイントガード。シューティングガードのハーデンは今季リーグ2位の27・4得点をマークしてお、攻撃型の2人のバックコート陣を欠くことで米国の五輪3連覇にも赤信号が灯りそうだ。

 これで31人いた最終候補から、故障した選手を含めて計8人が離脱もしくは辞退。カリーとウエストブルックの辞退でポイントガードはトレイルブレイザーズのダミアン・リラード(25)、キャバリアーズのカイリー・アービング(24)、グリズリーズのマイク・コンリー(28)の3人だけになった。しかもアービングはファイナル終了まで態度を保留し、アキレス腱を痛めてプレーオフを欠場したコンリーも回復具合が微妙。誰1人としてジカ熱を辞退の理由にしていないが、スペイン代表のパウ・ガソル(35=ブルズ)が「チームメートが不安を訴えている。病気に対する正確な情報が与えられていないので自分にはそれを知る義務がある」と辞退を示唆して以来、五輪回避の動きがNBAで急速に広まり始めた。

 7月の最終予選に回っているカナダでもこの日、ティンバーウルブスのフォワードで昨季にNBAの新人王となったアンドリュー・ウィギンス(21)が「3シーズン目となる来季は自分の役割が大きくなる。だからそれに備えたい」として代表入りを辞退。ブラジルではバロス新保健相が「8月には蚊の発生率はぐっと低くなる。(ジカ熱感染への)リスクはほぼゼロだ」と懸命に不安を払しょくしようとしたが、人気競技のひとつ男子バスケットボールの混乱はまだ続きそうだ。

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2016年6月11日のニュース