ウォリアーズ、連覇に王手 カリー、両軍最多38得点

[ 2016年6月11日 14:58 ]

38得点を挙げたウォリアーズのカリー

 NBAファイナルの第4戦が10日にクリーブランドで行われ、ウォリアーズが108―97(前半50―55)で地元のキャバリアーズを下して3勝1敗。2年連続5回目の優勝に王手をかけた。8日の第3戦では30点差(90―120)をつけられて大敗したが、ステファン・カリー(28)が7本の3点シュートなどで両軍最多の38得点をマーク。敵地で貴重な白星をもぎとった。

 今季の得点王(平均30・1)のカリーは今ファイナルでは初戦から11得点→18得点→19得点と精彩を欠いていたが、第4戦では第3Qの3分23秒に3点シュートを決めたところで20得点に到達。スプラッシュ・ブラザーズの相棒、クレイ・トンプソン(26)も4本の3点シュートを成功させて25得点をマークするなど、久々に両シューターによる“長距離砲”がさく裂した。2人に相手のマークが集中していた時間帯にはリオデジャネイロ五輪の米国代表最終候補にも名を連ねているハリソン・バーンズ(24)が活躍。トンプソン同様に4本の3点シュートを沈めて14得点を稼いだ。

 2季連続でシーズンMVPとなっているカリーは「第3戦で犯したようなミスが少なかった。お互いにコミュニケーションをとりあってうまくシュートが打てた」と納得の表情。チームの3点シュート成功(試投36本)はファイナル史上最多の17本を記録するなど、第3戦とは見違えるような内容だった。

 とくに後半では差が顕著。ウォリアーズが21本中9本を決めたのに対し、キャバリアーズの3点シュート成功は9本中わずかに1本。ディフェンスで振り回されてエネルギーを使いきり、シュートの精度が急激にダウンしてリズムを失っていった。

 キャバリアーズは第2戦で脳振とうを引き起こしたケビン・ラブ(27)がベンチ・スタートという形で戦列に復帰。25分の出場時間で11得点5リバウンドを稼いで2万人の地元ファンから大声援を受けた。レブロン・ジェームズ(31)が46分間プレーして25得点13リバウンド9アシストを挙げれば、カイリー・アービング(24)も34得点を稼いで第3Qの滑り出しで一時8点をリード。しかしスタミナが切れ始めた第4Qは攻撃が単調になった。ターンオーバーも連発し、6分36秒間にわたってフィールドゴール(FG)が1本も決まらず失速。ファウルゲームとなった残り43秒からはカリーとトンプソンの2人にフリースロー(FT)を12本全部決められて反撃の芽を摘みとられた。

 FG成功率はウォリアーズの47・2%に対して46・9%と互角だったが、FT成功率は相手の80・6%に対して57・7%。計11本も外したFTが最後にボディーブローのように効いて勝機を築けなかった。

 ファイナルで1勝3敗となったケースは過去32回あるが、この崖っ縁から奮起して逆転優勝を果たしたチームは皆無。1964年12月27日、NFLのブラウンズが王座(当時のNFL選手権)を獲得してから優勝チームが誕生していないクリーブランドの市民には“V率0%”というきびしいデータがつきつけられた。

 なお第5戦は13日(日本時間14日)にウォリアーズの地元オークランドで開催。ウォリアーズが勝てば、セルティクス、レイカーズ、ブルズ、ピストンズ、ロケッツ、ヒートに続く史上7チームの連覇達成となる。

 <第4戦の主なデータ>

 ▼カリーの3点シュート成功本数は第1戦から3→4→3→7。歴代最多の402本を成功させた今季の1試合平均成功本数は3・2なので、第4戦ではアベレージのほぼ2倍の本数を成功させた▼キャバリアーズがポストシーズンに入ってホームで負けたのは9戦目で初めて。ウォリアーズのロードは今プレーオフでは4勝5敗。しかしホームでは11勝1敗と好成績を収めている▼NBAのプレーオフで1勝3敗からシリーズを逆転したのは過去10回。今季は西地区決勝でウォリアーズがサンダーに対して○●●●○○○で勝っている。ただしファイナル(今回で33回目)では一度も逆転はない。

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