初出場の池村、収穫の首位発進 実家は「魔王」のサツマイモ農家

[ 2016年6月3日 05:30 ]

18番、ラフからのショットを放つ池村

男子ゴルフツアーツアー選手権 森ビル杯 第1日

(6月2日 茨城県笠間市 宍戸ヒルズカントリークラブ西コース=7384ヤード、パー71)
 大会初出場の池村寛世(ともよ、20=フリー)が5バーディー、3ボギーの69をマークし、2アンダーで宮本勝昌(43=ハートンホテル)、小袋秀人(25=戸塚CC)、ショーン・ノリス(34=南アフリカ)と並んで首位発進した。実家はサツマイモ農家で、家業の手伝いをトレーニング代わりに体を強化。豪快なショットにこの日は小技もかみ合ってスコアを伸ばした。11年大会から5年連続で初優勝者が生まれており、池村も快挙を目指す。
【第1R成績】

 ホール別の難易度が最も高かった481ヤードの17番パー4。池村は残り190ヤードの第2打を5Iでピン4メートルに絡めると、これを沈めて価値あるバーディー。アンダーパーで回った選手が6人のみという厳しいコースコンディション下で自身初の首位発進につなげ「17番のバーディーは本当にうれしかった。パープレーでも良い順位にいくんじゃないかと思っていたので目標はパープレーだった。自分でもビックリ」と声を弾ませた。

 これまでパッティングの際、インパクトが緩みがちだったが、前週から悪癖矯正のために3メートルの上りのストレートを「ひたすら30分くらい」打ち続ける練習を続けた。この日の6番では3メートルのバーディーパットをしっかり沈めるなど、努力が早くも実った。

 鹿児島県志布志(しぶし)市の実家はサツマイモ農家。高糖度サツマイモ「紅はるか」を栽培していて、食用としてはもちろん、幻の焼酎「魔王」の原料にもなっている。「ゴルフより早く小3から苗植えや収穫を手伝ってきた」と子供の頃から家業を手伝っているという。5月の中日クラウンズに出場後も、実家に戻ってサツマイモの苗の植え付けに精を出した。約5時間の重労働だったが「低い姿勢を保つので、足腰のトレーニングにもなる」。身長こそ1メートル66と小柄だが、太腿回りは58センチと細身の女性のウエストほど。強じんな下半身から繰り出される1Wは飛距離300ヤードを超える。

 今大会は過去5年連続でツアー初優勝者を生み出している。池村も「プロアマ戦の日(1日)に聞きました。チャンスはあるのかなと思う」と意識はしている。観衆をも酔わせるプレーを続けた先に、最高のフィナーレが待っている。

 ◆池村 寛世(いけむら・ともよ)1995年(平7)8月30日、鹿児島県出身の20歳。小学5年生から父の影響でゴルフを始める。尚志館高2年のとき、オーストラリアに半年間ゴルフ留学。帰国して13年にプロ転向する。昨季チャレンジツアー2勝。今年はチャレンジツアー賞金ランク3位の資格でレギュラーツアーに出場。1メートル66、72キロ。得意クラブは1W。

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2016年6月3日のニュース