異例のスピード出世!宇良 十両昇進で居反りに期待

[ 2016年3月31日 05:30 ]

新十両昇進を決め、ポーズをとる宇良

 日本相撲協会は30日、エディオンアリーナ大阪で大相撲夏場所(5月8日初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、宇良(23=木瀬部屋)、佐藤(19=貴乃花部屋)が新十両に昇進した。関学大から初めて角界入りした宇良は居反りで注目を集める小兵の業師。異例のスピード出世を果たし、大技が披露される瞬間も近づいた。

 居反りへの期待が高まってきた。宿舎で会見に臨んだ宇良が宣言した。「十両の方が出やすいと思います。相手が大きいですから」。居反りは相手の懐に潜り込み、後方に反って倒す大技だ。学生時代のダイナミックな映像がテレビ番組で紹介され、入門当時から注目を集めた。まだ本場所では試みていないものの、師匠の木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)によると稽古場で昨年5月に1回、今年2月にも2回決めているという。師匠は「本来の居反りは逆転技だが、宇良のは攻めていく技。強い相手とやれば、もっと力を出せるはず」と話した。

 初土俵から所要7場所での新十両昇進は年6場所制となった58年以降、旭富士(元横綱)に並ぶ4位のスピード出世(幕下付け出しを除く)だ。入門時に語った「2年で関取」という目標を大幅に前倒し。「こんなに早くなれると思っていなかった」と笑顔を見せた。

 稽古では基本の押しを徹底的に磨く。「押す力があって技がある」。199キロの巨漢兄弟子・臥牙丸にぶつかり稽古で胸を出してもらい、食事にも励んで体重を毎月1キロずつ増やした。入門時の107キロから現在は120キロに達した。京都・鳥羽高入学時は1メートル52、52キロで同級生との稽古すら満足にできず「負け続けてきた相撲人生」と振り返る。当面の目標は「十両に生き残ること」と謙虚だ。本場所の土俵に上がれば闘争本能に任せて動き回る。15日間、必死で戦う中で大技の飛び出す瞬間がきっと訪れる。

 ◆宇良 和輝(うら・かずき)1992年(平4)6月22日生まれ、大阪府寝屋川市出身の23歳。木瀬部屋。15年春場所初土俵。4歳で相撲を始める。中学時代は小3から始めたレスリングに力を注いだ。京都・鳥羽高から再び相撲中心となり、80キロ級の全国大会で2年時は3位、3年時は2位と活躍。推薦で関学大へ進学。体格は中学入学時に1メートル47、47キロ。高校入学時に1メートル52、52キロ。現在は1メートル73、120キロ。

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2016年3月31日のニュース