マニング有終 ブロンコスVで先発QB初の偉業 異なるチームで頂点

[ 2016年2月9日 05:30 ]

試合後に言葉を交わすブロンコスのQBマニング(右)とパンサーズのQBニュートン(AP)

第50回スーパーボウル ブロンコス24―10パンサーズ

(2月7日 カリフォルニア州サンタクララ=リーバイス・スタジアム)
 ブロンコスがパンサーズを24―10で下し、17年ぶり3度目の王座を獲得。今季限りでの引退が濃厚となっているQBペイトン・マニング(39)のパス獲得はわずか141ヤードに終わったが、その一方で「異なるチーム(07年コルツ)でスーパーボウルを制した初めての先発QB」という偉業を達成した。TDにつながるQBサックを2度記録したLBボン・ミラー(26)がMVP。QBサックを史上最多に並ぶ7回も浴びたパ軍のキャム・ニュートン(26)は、今季通算19戦目で初めてパスでもランでもTDを奪えなかった。

 マニングは勝利が決まるとクービアク監督と抱き合って歓喜。「我慢と粘り強さを試された試合だった」と激闘を振り返った。シーホークスと対戦した2年前は8―43で大敗。今季は故障で6試合を欠場したが、最後は史上最年長の先発QBとしてフィールドに立ち、ファーブ(元パッカーズほか)を抜いて歴代単独トップとなる通算200勝目を挙げた。

 コルツ時代を含めてシーズンMVPに5度輝いた看板QB。ただし体力の衰えも目立ってきた。パス効果率(レーティング)は自己ワースト。ボールのスパイラル(回転)は不安定で、球速が不足しているために短いパスでさえ途中で叩き落とされるようになった。この日のパスとランによる総獲得(194ヤード)とファーストダウンの更新回数(11)は勝者としては史上最少。「振り返る時間が欲しい。まず多くの人に感謝することが先決。きょうは家族を抱きしめてビールを飲みたい」と試合後も自身の去就については言及しなかったが、快挙とワースト記録が一体となった通算293試合目が実働17シーズンに及ぶ現役生活のフィナーレになりそうだ。

 そのマニングを支えたのがパ軍ニュートンにメガトン級の圧力をかけたミラー。第1Qと第4Qにサックを浴びせてファンブルを誘発させ、2度ともそれがTDにつながった。「2年前に負けてからこの日のためにみんなで戦ってきた。お互いを思う気持ちがあるからこそこのチームは強い」。11年ドラフトの全体2番目指名選手。ミラーの前には1人しかいなかったが、それがニュートンだった。

 並外れた身体能力を持ちながら、薬物規定違反や膝の故障などつまずくことが多かったNFL人生。同期のライバルを自分の手で倒したヒーローは、トロフィーを高々と掲げていた。

続きを表示

2016年2月9日のニュース