琴奨菊 気分は国民的ヒーロー!松戸パレード案も浮上

[ 2016年1月26日 05:30 ]

大勢の報道陣に囲まれながら、ファンと握手を交わす琴奨菊

 大相撲初場所で自身初、日本出身力士として10年ぶりの優勝を果たした大関・琴奨菊(31=佐渡ケ嶽部屋)が千秋楽から一夜明けた25日、千葉県松戸市の部屋で喜びを語った。同市でパレードの企画が浮上する中、良い子の期待に応えて大活躍するヒーロー「アンパンマン」のように、次の春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)で綱獲り成就を目指す。

 テレビカメラ7台、報道陣70人が集まり、お祝いの胡蝶蘭(こちょうらん)がずらりと並ぶ。無数のフラッシュを浴び、琴奨菊はトレードマークである糸目の笑顔を輝かせた。「いろんなメディアに取り上げられて。若い衆に“新聞を全部買っといて”と言いました。本当にうれしい」。13日目の豊ノ島戦で初黒星以降は眠れず、睡眠時間は3日間合計で「10時間」。千秋楽の夜は祝宴が未明まで続いたものの「気分も体調もいい」と終始ご機嫌だった。

 応援が何よりの力となる。本人はあるヒーローの活躍ぶりになぞらえ、周囲の温かいサポートに感謝した。「アンパンマンは顔を削り取って、みんなに勇気や元気を与える。顔を削られても、新しい顔に入れ替えてくれる人がいる。(自分を支えてくれる)多くの人がいたから強くなれたと思う」。土俵では握り拳で殴るのは禁じ手。ア~ンパンチ!の代わりに得意のがぶり寄りで支援に応える意気込みだ。

 祝賀ムードは盛り上がる一方だ。佐渡ケ嶽部屋のある松戸市でパレードの企画が浮上している。JR松戸駅西口などが候補で「2月中にできれば」と担当者。08年夏場所で琴欧洲(現鳴戸親方)が初優勝した際にパレードを実施し、あいにくの雨にもかかわらず約2万5000人を集めた。今回は10年ぶりの日本出身力士優勝だけに「相当の人出」を予想。好天に恵まれれば2倍の5万人規模と見込まれる。

 今月30日は自身32回目の誕生日で、祐未夫人との披露宴を催す。喜びいっぱいの中でも次の春場所を見据える。「もう一つ上(横綱の地位)もある。こんなに世界が変わるのかと思った優勝を望んで、頑張りたい」。先代師匠(元横綱・琴桜)は32歳で遅咲きの横綱昇進。諦めずに最高位を目指す。

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2016年1月26日のニュース