錦織 労せず16強 対戦相手が右肩故障で棄権、中3日で次戦

[ 2015年5月29日 05:30 ]

チャン・コーチ(左)と練習する錦織

テニス全仏オープン第5日

(5月28日 パリ・ローランギャロス)
 男子シングルスで第5シードの錦織圭(25=日清食品)が、誰よりも早く16強入りを果たした。29日の3回戦の相手、世界48位のベンヤミン・ベッカー(33=ドイツ)が右肩の故障で棄権。錦織は労せずして2年ぶりの全仏4回戦進出が決まった。大会10度目の優勝を狙う第6シードのラファエル・ナダル(28=スペイン)は、ニコラス・アルマグロ(29=スペイン)を下して3回戦進出を決めた。

 錦織は1回戦で敗退した伊藤竜馬(北日本物産)を相手に練習していた。強力なサーブとフォアハンドを持つ仮想ベッカー。しかし、その練習時間中に発表されたベッカーの棄権によって、練習の意味は4回戦を見据えた調整へと変わった。

 ベッカーは前日に第32シードのベルダスコ(スペイン)を撃破。しかし6―4、0―6、1―6、7―5、10―8ともつれ、3時間を超えた激闘の代償は大きかった。そして、4大大会初制覇を狙う錦織にとっても大きな不戦勝となった。

 4大大会は通常、中1日のローテーションで進んでいく。しかし今回の錦織は初日に1回戦が組まれ、2回戦まで中2日空いた。3回戦が飛んだことで、今度は中3日で31日に予定される4回戦を迎えることができる。

 2回戦後に「(中2日は)少し不思議な感じだけど自分としては助かる。体の回復には2日間あればだいたい足りる」と語っていた錦織。試合間隔が空きすぎることへの不安はあるが、フィジカル的には万全の構えでセカンドウイークを迎えられそうだ。

 すでに錦織のブロックは第11シードのロペス、第19シードのバウティスタ(ともにスペイン)といった他のシード選手が全滅している。4回戦の相手は世界43位のルカシュ・ロソル(29=チェコ)と同74位のテイムラズ・ガバシビリ(30=ロシア)の勝者。いずれもノーシードの選手となる。初の全仏ベスト8へ、錦織の視界は大きく広がっている。

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