美誠 最年少8強!愛超え14歳192日 最年少メダル逃すも「悔いなし」

[ 2015年5月2日 05:30 ]

女子シングルス4回戦を突破し日本人最年少での8強入りを決めた伊藤

卓球世界選手権個人戦第6日

(5月1日 中国・蘇州 蘇州国際博覧センター)
 “みま”が世界トップ3を苦しめた。女子シングルス準々決勝で中学3年生の伊藤美誠(14=スターツ)が世界ランク3位の李暁霞(27=中国)から2ゲームを先取。2―4で敗れたものの、強豪を最後まで苦しめた。4回戦ではウクライナ選手を撃破し、福原愛(26=ANA)を超える14歳192日での世界選手権女子シングルス日本人最年少ベスト8を達成。来年のリオデジャネイロ五輪出場へ存在感を増してきた。

 敗者が称えられていい試合だった。初出場の14歳が、ロンドン五輪金メダリストにして大会連覇を狙う李暁霞と互角に渡り合った。強気の攻めで第1ゲームを取ると、第2ゲームはジュースから3度、ゲームポイントを奪われながら粘り抜いて16―14で連取。完全アウェーの中、真っ向から打ち合った。そこから4ゲームを連取されて2―4で敗れたものの、健闘は誰もが知っている。試合中は李暁霞を応援し続けた現地ファンが、コートから引き揚げる伊藤に温かい拍手を送った。

 「(平野美と組んだ)ダブルスで負けた時より悔しくない。自分のプレーができて悔いはありません。出し切りました」。自身も納得の敗戦となった。

 初出場でのメダル獲得はならなかったが、同日の4回戦ではウクライナのビレンコを圧倒して8強入りを果たした。14歳192日での8強は、03年パリ大会の福原愛(14歳203日)の記録を11日更新して世界選手権女子シングルスの日本人最年少記録になった。

 「凄くうれしい。3回戦が勝てるかどうか分からない相手でベスト16が目標の一つでした。それも超えられて自信になります」

 一度勝っている相手との対戦だったが、念には念を入れた。この日の朝食時。2回戦でビレンコに敗れた福原にアドバイスを求めた。「(3月の)スペイン(オープン)と同じようにやればいいよ」。憧れの先輩のお墨付きをもらい、自信を深めた。女子シングルスで第6日まで残ったのは日本勢で自分だけ。気合が入っていた。「私だけになって、今できることをやろうと意識しました」。1メートル53の小さな体に日の丸を背負って、コートに立った。

 今大会の活躍で、今月発表の世界ランクでは15位から上がる可能性が高い。9月に発表の世界ランクで日本人上位2人に入れば、リオデジャネイロ五輪が見えてくる。14歳の台頭で、代表争いがますます熱くなってきた。

 ▽リオデジャネイロ五輪シングルス出場の道 男女ともに9月発表の世界ランキングで上位2人に入ることが第1条件。この2人がアジア大陸予選に臨み、五輪出場権をかけてアジアに与えられた11枠を争う。
 アジア大陸予選で出場権をつかめなかった場合には、16年5月発表の五輪ランキングで上位22人に入れば五輪に出場できる。ただし、対象はアジア大陸予選に参加した選手のみ。

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