原沢“馬力”発揮で初V!リオ五輪代表レースに名乗り

[ 2015年4月30日 05:30 ]

全日本選手権で初優勝し、天皇杯を手に笑顔の原沢久喜

柔道全日本選手権

(4月29日 日本武道館)
 最重量級の若駒がリオ五輪代表戦線に名乗りを上げた。22歳の原沢久喜(日本中央競馬会)が、決勝で昨年世界選手権銀メダリストの七戸龍(26=九州電力)から小外刈りで有効を奪って優勢勝ち。初出場の13年大会は惜しくも準優勝だったが、3度目の出場で日本一のタイトルを手にした。大会後に行われた強化委員会では、8月の世界選手権(カザフスタン)の代表に選ばれなかったが、来年のリオ五輪出場に向けて視界が開けた。

 馬車馬のように休まず原沢はがつがつ攻めた。奥襟を取り合う序盤戦から、徐々に足技で揺さぶる。残り1分52秒、指導2を受けていた七戸の強引な大内刈りに小外刈りを合わせた。「決勝はきれいな柔道ではなかったけど気持ち、執念だけで戦った」という気迫みなぎる勝ちっぷりだった。

 日大を経て今春、日本中央競馬会に入社。2週間前まで新人研修に参加し、乗馬や馬のブラッシングも経験した。「バカみたいに積み重ねる選手」(日大・金野潤監督)、「10を言えばしっかり10をやる」(日本中央競馬会・賀持道明監督)という周囲の評判通り、研修中も午前5時起きの朝稽古を欠かさなかった。

 国際大会より1分長い今大会の6分の試合時間に合わせ、東京都世田谷区の馬事公苑にある400メートルのダートコースを毎朝4本以上走るなど、所属先ならではの“調教”で筋持久力を鍛えた。「坂が2カ所もあって相当にきつかった」と振り返りながら「スタミナ面では他の選手に負けないものを出せた」と話し、5試合を戦い終えても「まだいけます」と笑った。準決勝でも昨年覇者の王子谷を攻めきって優勢勝ち。苦手意識のあった同い年のライバルを圧倒できたのもスタミナ面の強化があればこそだ。

 昨年11月の講道館杯ではまさかの初戦敗退に終わり、リオ五輪戦線から脱落しかけた。今月上旬の選抜体重別でも優勝を逃したが、結果に内容の伴った起死回生の全日本制覇。「何が何でも出て優勝するのが目標」という五輪へ夢をつないだ。

 今回の世界選手権代表入りは見送られたものの、現時点で今大会ベスト4の七戸、王子谷、原沢、西潟はほぼ横一線。山下泰裕強化委員長も「原沢が一番伸びしろがある。非常に楽しみ」と期待を寄せている。代表レースはこれからが正念場。「喜ぶのはきょう、あしたぐらいにして、次に向かってしっかりとやっていきたい」。手綱を緩めぬ22歳は、サラブレッドのような力強さを身につけ五輪へと走り続ける。

 ◆原沢 久喜(はらさわ・ひさよし)1992年(平4)7月3日、山口県下関市出身の22歳。6歳から大西道場で柔道を始め、早鞆高、日大を経て今春から日本中央競馬会。12年全日本学生体重別、講道館杯優勝。13年全日本選手権は決勝で穴井隆将に敗れて準優勝。その後は右肘関節脱臼など故障に苦しむ。国際大会は14年グランプリ青島、今年の欧州オープン・ローマなどで優勝。右組み、得意技は内股。1メートル91、122キロ。

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