萩野 200自由Vで2冠 400不本意も切り替え「気持ちよく泳げた」

[ 2015年4月10日 05:30 ]

優勝した萩野は同じ東洋大の天井(右)と喜び合う

 競泳日本選手権第3日は9日、今夏の世界選手権(ロシア・カザニ)の代表選考を兼ねて東京辰巳国際水泳場で行われ、男子200メートル自由形は萩野公介(20=東洋大)が1分45秒82で優勝し2冠を達成。不本意なタイムだった7日の400メートル自由形から気持ちを切り替え、本職の個人メドレーに向けて調子を上げてきた。

 ゴールした瞬間、萩野は電光掲示板を振り返った。タイムを確認すると、世界選手権の800メートルリレーのメンバー入りを確実にした4位の天井翼(東洋大)と笑顔で握手。400メートル自由形は派遣標準記録2での代表入りだったが、2種目にして派遣記録1を突破。仲間の代表入りを喜ぶ余裕も生まれ「やっとうまく体が使えてきた。いい筋肉の状態になってきたというのがある」と白い歯を見せた。

 エースらしい泳ぎだった。150メートルまで日本記録を上回るスピードで泳ぐ坂田怜央(イトマン近大)に会場がどよめいた。体半分リードを許しながらも「自分のレースをすれば勝てる」と焦りはなかった。残り50メートル。水をかくごとにライバルに近づくと、一瞬で抜き去り「気持ちよく泳げた」と表情を緩めた。

 気持ちの切り替えがうまくいった。昨年12月の世界短水路選手権(ドーハ)。男子400メートル個人メドレーで2位に終わり、無冠のまま翌日の200メートル個人メドレーを迎えた。動揺して他の選手の動向が気になると、ライバルの調子を平井伯昌コーチに尋ねた。その瞬間、大学生活で初めてカミナリを落とされた。「あの時は自分が気持ちを切り替えられないでいたら、バカヤロー!って怒られた」。直後のレースで金メダルを獲得。その経験が今大会でも生きた。

 2冠を達成し、残す2種目は世界選手権で金メダル獲得を目指す個人メドレーとなった。「200、400メートル個人メドレーに向けて、いい段階を踏めた」ときっぱり。戦闘モードに切り替わったエースに死角はない。

続きを表示

この記事のフォト

2015年4月10日のニュース