伊達 43歳、大会最年長勝利ならず「クレーは嫌い」

[ 2014年5月28日 05:30 ]

全仏オープン1回戦、必死にリターンするクルム伊達(AP)

テニス全仏オープン第3日

(5月27日 パリ・ローランギャロス)
 女子シングルス1回戦で、世界ランキング82位のクルム伊達公子(43=エステティックTBC)は、アナスタシア・パブリュチェンコワ(22=ロシア)に3―6、6―0、2―6で敗れた。43歳239日で全仏歴代3位の年長出場(年齢は大会開幕日)を果たしたが、大会最年長勝利はならなかった。26日には世界44位の奈良くるみ(22=安藤証券)が同111位のアンナ・タチシビリ(24=米国)を下して全仏初勝利。世界97位の土居美咲(23=ミキハウス)は第28シードのアンドレア・ペトコビッチ(26=ドイツ)に敗れた。

 フォアの返球がネットにかかり、5度目のマッチポイントで力尽きた。「クレーはもともと嫌いだし、悪いなりに悪くはなかった」。大会最年長勝利を逃した伊達はさばさばとした表情で22歳の対戦相手に歩み寄った。第1セットはパワフルなショットに押されて3―6で落とした。第2セットはパブリュチェンコワが自滅。このセットだけで8本のダブルフォールトを犯すなど伊達は労せずして6―0で最終セットに持ち込んだ。しかしリズムを取り戻した相手に0―4と引き離され、挽回できなかった。

 4月は両足のケガが重なり、左ふくらはぎの不安から日本での試合も欠場した。足の状態は回復したが、得意の芝シーズンを見据えて故障再発を避けるために全仏の前哨戦はダブルスでの1大会にとどめた。パワーと体力が求められる赤土の戦い。「日本人、アジア人には難しい。ヨーロッパのクレーで育ってきている人には太刀打ちできない」というのが理由だ。大ベテランには「(クレーでは)がっかりすることも諦めた」という達観がある。インパクトは残せなかったが、それも織り込み済みの結果だった。

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2014年5月28日のニュース