遠藤1敗死守!横審委員長も熱視線「3横綱を蹴落とせ」

[ 2014年5月16日 05:30 ]

<夏場所5日目>遠藤(左)は豊ノ島を激しく攻め立てる

大相撲夏場所5日目

(5月15日 両国国技館)
 4日目に鶴竜から初金星を挙げた平幕・遠藤が、この日も危なげない相撲で豊ノ島を下し、1敗を守った。横綱・白鵬は宝富士を突き落として、ただ一人全勝で単独トップに立った。横綱・日馬富士と鶴竜も1敗をキープ。2大関も勝ち上位は安泰。無敗の白鵬を日馬富士、鶴竜ら10人が1敗で追う展開となった。

 鶴竜から初金星を挙げた遠藤の勢いは本物だ。立ち合い、左をねじ込もうとする豊ノ島を突き放し、上体を起こされた相手が前に力を入れたところを見極め、タイミングよく引き落とし。あっけなく勝負がついた。

 「当たって自然に体が反応した。右から突き落としというか、いなす動きの延長です」
 横審の本場所総見で国技館を訪れた内山斉委員長(読売新聞グループ本社顧問)は、三役経験が豊富な実力者をあっさり料理した相撲を目の当たりにし、和製横綱候補の一番手と言わんばかりに「早く上がってほしい。3横綱を蹴落としてもらいたい」と絶賛した。さらに歓声に沸く館内を見渡し「遠藤人気は凄い。お客さんが入っているのも遠藤のおかげだね」と喜んだ。

 遠藤の故郷、石川県穴水町も盛り上がっている。この日は石川宣雄町長(72)をはじめとする「追手風・遠藤穴水後援会」の会員34人が国技館を訪れ応援。遠藤自身は相撲に集中していたため、気付かなかったというが、石川町長は「凄いですね。今、町の人のあいさつは遠藤関の話題からです」と声を弾ませた。曽良(かつら)昌嗣町議会議長によれば、過疎化が進む全国の地方の町と同じように人口約9300人の同町も「徐々に人が減っています」というが、そうした中で地元出身の人気者の活躍は、町を活気づける起爆剤になっている。第三セクターの「のと鉄道」の穴水駅前には今後、遠藤ののぼり10本が据え付けられる予定で、町を挙げての応援ムードも高まっている。

 6日目は、過去2度の挑戦で敗れている大関・琴奨菊戦。さらに期待が高まる中盤戦に向け「いい内容もあったが悪い内容もあったので修正したい。向かっていく気持ちで」。銀星奪取で、1差の白鵬に食らいつく。

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