【大畑ザ・セレクト】ゲーム理解度と高い能力見せた桂SO

[ 2013年12月29日 05:30 ]

<桂・岡谷工> 後半、激しい攻防にヘッドキャップが脱げながらも突進する桂・杉本

第93回全国高校ラグビー大会1回戦 桂19―12岡谷工

(12月28日 近鉄花園ラグビー場)
 7人制ラグビーが公式競技として採用される16年リオデジャネイロ五輪、日本開催が決定している19年W杯で中核を担うべき選手が現在の高校生世代だ。テストマッチ通算69トライの世界記録を誇る大畑大介氏(38)が未来の日本代表候補をピックアップし、あふれる才能を紹介する。

 初出場のチームに落ち着きをもたらせたのは監督の次男、SO杉本選手です。ゲーム理解度、総合能力の高さは2つのプレーから見て取ることができた。

 1つ目は前半21分、FB馬淵選手のトライを呼び込んだラストパスです。桂は敵陣5メートルの中央ラックから左へ展開。ボールを受けた杉本選手は迷わず2人飛ばしのパスを出しました。相手防御の立ち位置、外から内へ詰める防御スタイルを見極めたからこそ出せたパスです。視野が広く、瞬時の判断が光りました。

 2つ目は後半17分、FB馬淵選手のトライを生んだキックパスです。敵陣ゴール前右中間でボールを受けると、インゴール左へキックを上げました。岡谷工のラインの上がりの速さを見て、その背後をついた。ボールをチェイスする自軍のバックスリーは背が高い選手が多いことも頭に入れて、高く蹴ったのです。

 防御の時はFBの位置に立ち、時にはSHとしてパスを出した。めまぐるしく変わるポジションは、対戦校からすると“何をしてくるんだろう”と脅威に感じるはずです。ラグビーを楽しんでいる姿も印象的でした。次戦はAシードの桐蔭学園が相手。彼の引き出しの多さに期待したい。 (神戸製鋼アンバサダー、追手門学院大学地域文化創造機構客員特別教授、元日本代表)

 ◆杉本 頼亮(すぎもと・よりあき)1995年(平7)7月16日、京都府向日市出身。5歳の時、洛西RSでラグビーを始める。高校日本代表候補、U17日本代表候補。1メートル68、77キロ。

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2013年12月29日のニュース