41歳クルム伊達無念 全豪女子最年長勝利ならず…

[ 2012年1月17日 06:00 ]

女子シングルス1回戦で敗れ、天を仰ぐクルム伊達

全豪オープンテニス第1日

(1月16日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 4大大会の初戦が開幕し、女子シングルス1回戦で、世界ランキング79位のクルム伊達公子(41)は同86位のエレニ・ダニリドゥ(29)に3―6、2―6でストレート負けした。68年のオープン化以降の全豪女子最年長勝利はならなかった。同52位の森田あゆみ(21)は第32シードのペトラ・チェトコフスカ(26)に6―3、1―6、5―7で逆転負けし、日本女子シングルス勢は2人とも初戦で姿を消した。

 足早にコートを引き揚げる姿が、悔しい思いを物語っていた。「彼女のペースにはめられたのが一番大きい」。41歳のクルム伊達は29歳のダニリドゥの巧みな駆け引きに屈して、ストレートの完敗。全豪女子の最年長勝利には届かなかった。

 第1セット、3―2と好スタートを切ったが、第6ゲームでミスショットが続いて、ブレークされたところで流れが変わった。持ち味の速い展開に持ち込みたかったが、相手はスライスを多用し、徹底してテンポを落としてきた。この日は風も強く、ショットの精度も上がらない。ミスは相手の14回に対し43回。「スローにされて、ギアアップできなかった。風にもうまく順応できなかった」。4ゲーム連続で失い、第2セットも最後まで自分のペースに持ち込めなかった。

 誤算もあった。世界ランキングが昨年10月に144位まで落ちたため、ポイントを稼ぐために下部ツアーを転戦。4戦すべて決勝進出して2勝。狙い通り、体力的な負担の大きい予選なしで、本戦に出場できる位置まではい上がった。しかし、今月上旬の中国での試合で右太腿を負傷。「痛みから解放されたのは2日前」とハードな日程の代償は大きかった。

 12年間のブランクから復帰した09年以降4年連続の全豪初戦敗退となった。だが、「結果は昨年と同じ1回戦負けだけれど、トータルでは収穫があった」と不振から抜け出した昨秋以降の取り組みには手応えがある。「スランプに陥る前に試合数を入れたい。勝つことで自信にもなる」と今後も引き続き下部ツアーに並行して出場していく方針だ。ロンドン五輪の出場権獲得の目安となる世界ランキング70位まであと一歩。41歳の挑戦はまだまだ続く。

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