“東の横綱”国学院栃木 継続ラグビーで11トライ

[ 2011年12月31日 06:00 ]

<国学院栃木・浜松工>後半、国学院栃木・西松大輝(手前)がトライを決める

全国高校ラグビー2回戦 国学院栃木67―3浜松工

(12月30日 東大阪市・花園ラグビー場)
 “東の横綱”が好発進した。シード13校が登場して2回戦16試合が行われ、初シードに選ばれたAシードの国学院栃木(栃木)は浜松工(静岡)からFB田村熙(ひかる、3年)の4トライを含む11トライを奪って67―3と圧勝した。兄弟校の国学院久我山(東京第1)も清真学園(茨城)に7―3で逆転勝ち。昨年両校優勝の桐蔭学園(神奈川)と東福岡(福岡)は順当に3回戦に進み、黒沢尻工(岩手)は東北勢で唯一勝ち残った。

 強風にもマケズ、重圧にもマケズ。17回目の出場で初シードの国学院栃木は15人が精力的にグラウンドを動き回った。

 前半3分に田村のトライで先制すると完全に勢いに乗った。チームのコンセプトは“15人一丸”。最前線で圧力をかけるフッカーの穴沢がバックスラインの一番外側に入るなど、ポジション関係なしの攻撃を披露する。FWとバックスが縦横無尽に動く継続ラグビーで積み重ねたトライは11。就任24年目の吉岡肇監督(50)は「パスをつなぐ自分たちのスタイルを出せたと思う。これが国栃のラグビー」と胸を張った。

 栃木県勢の花園最高成績は16強。近隣の茨城、群馬などが強豪校を輩出するなか“ラグビー弱小地区”と言われた。「なにか違うことをやらないと強くなれない」。6年前から吉岡監督を中心に県内の中学生が集まる「栃木県ジュニアラグビークラブ」(栃木ジュニア)の強化に着手。毎週日曜日に国学院栃木など3校に通わせて高校生と合同練習を実施し、中学生は高校生と交わることでレベルアップに成功した。

 “栃木最強チーム”は栃木ジュニアの1期生、No・8小野主将や吉岡監督の長男であるWTB吉岡征太郎ら8人で構成されている。今年は6月の関東大会で初めてAブロック優勝。しかし、単独チームで臨んだ10月の国体は準決勝で東福岡主体の福岡にロスタイムのラストプレーでPGを決められ25―27で敗れた。「あの悔しさは忘れない。東福岡に借りを返すまで負けられない」と小野主将。東福岡3連覇阻止と初頂点への挑戦が始まった。

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2011年12月31日のニュース