早慶戦32年ぶり新人3人起用…ワセダ 慶応をKO!

[ 2011年11月24日 06:00 ]

<慶大・早大>前半、突進する小倉(左)とフォローに入る布巻の1年生コンビ

関東大学ラグビー対抗戦グループ 早大54―24慶大

(11月23日 秩父宮)
 伝統の早慶戦を行い、早大が9トライの猛攻で慶大に54―24と快勝した。2連敗の早大はNo・8大峯功三(東筑)、SO小倉順平(桐蔭学園)、CTB布巻峻介(東福岡)の新人3人を早慶戦では79年以来32年ぶりに先発で起用。前半15分に小倉と布巻が絡んで先制トライを奪い、チームは勢いに乗った。ルーキーの活躍でバックス陣の高速展開に磨きがかかり、最終戦の早明戦(12月4日)と大学選手権(同18日開幕)へ弾みをつけた。敗れた慶大は5位が決まった。

 筑波大、帝京大に2連敗して3連覇が消えたワセダを救ったのは、今季公式戦初出場のFB井口副将とともに先発した3人の新人だ。観客はトップリーグと日本代表も含め今季最多の1万9658人。辻監督は「3人とも思いっきり伸び伸びやっていいパフォーマンスを見せてくれた」。大観衆の前で物おじしないプレーをした大峯、小倉、布巻の3選手を絶賛した。

 早慶戦で3人の新人が先発したのは79年(SO本城和彦、CTB吉野俊郎、FB津布久誠)以来32年ぶり。フランカー山下主将は早慶戦を前に「思いっきり楽しんでほしい。ミスは俺たちが取り返す」と3人を激励した。先輩の期待に応えるように3―3の前半15分に2戦連続先発のSO小倉が敵陣へ突進し、ラックから出たボールを公式戦初先発の布巻が左へロングパス。最後は山下主将が先制トライを奪い、チームは勢いに乗った。

 最近2戦で影を潜めた高速バックスが復調して9トライを奪取。井口副将は「小倉と布巻は前にシンプルに体現できるプレーヤーで頼もしい」と1年生を見つめた。司令塔としてチームをけん引した小倉は「帝京大戦の悔しさを晴らせた」と胸を張り、公式戦初先発で献身的な動きを見せた布巻は「チームに役立てて良かった」。FWの核で全戦先発の大峯は「3人でプレーしたかったのでうれしい」と喜んだ。

 1年生トリオはチームに勢いを与える。87年度にはSH堀越正巳、CTB藤掛三男、FB今泉清の新人が活躍し、学生最後の日本選手権に勝った。小倉も「今まで先輩に引っ張られてきたので、これからは僕らが盛り上げたい」ときっぱり。新人の活躍でワセダの反攻が楽しみになってきた。

 ◆大峯 功三(おおみね・こうぞう)1992年(平4)10月3日生まれの19歳。福岡・東筑高出身。小学6年時に中鶴少年RCでラグビーを始める。九州高校代表。花園出場歴はない。50メートル6秒8。1メートル82、85キロ。血液型B。

 ◆小倉 順平(おぐら・じゅんぺい)1992年(平4)7月11日生まれの19歳。神奈川・桐蔭学園高出身。小学2年時に八王子RSでラグビーを始める。花園は3年連続出場し、1年16強、2年準優勝、3年優勝。50メートル6秒3。1メートル72、72キロ。血液型O。

 ◆布巻 峻介(ぬのまき・しゅんすけ)1992年(平4)7月11日生まれの19歳。福岡・東福岡高出身。5歳でかしいYRでラグビーを始める。花園は1年4強、2、3年で2年連続優勝。高校生で初の7人制日本選抜に選ばれる。50メートル6秒8。1メートル78、84キロ。血液型AB。

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