鶴竜 “出直し場所”で無傷の4連勝!

[ 2011年11月17日 06:00 ]

<大相撲九州場所4日目>豊ノ島を寄り切る鶴竜

大相撲九州場所4日目

(11月16日 福岡国際センター)
 関脇・鶴竜は小結・豊ノ島の突き放しに慌てず寄り切り、無傷の4連勝をマークした。11勝で昇進の可能性があった秋場所は9勝止まりで大関獲りに失敗。出直しとなった今場所は新大関・琴奨菊、大関獲りの関脇・稀勢の里のライバル2人が注目を集めるが、あらためて存在感を示した。横綱・白鵬も勝ち、全勝は5人。
【取組結果】

 沈着冷静な鶴竜らしい完勝劇だ。同じ一門の豊ノ島とは場所前の稽古などで常に対戦し手の内を熟知していた。突き放しの“奇襲”にも慌てず、右上手をつかむと左でおっつけて寄り切り。支度部屋では「前に攻めているんで内容はいい。4連勝?まだ始まったばかりですから」と、柔和な笑みを見せた。

 関脇5場所目の今場所、連日危なげない内容で全勝をキープした。しかし、同世代の新大関・琴奨菊、大関獲りの稀勢の里に話題が集まり、胸中は穏やかではないはずだ。今年の技量審査場所で12勝、名古屋場所で10勝を挙げ、大関昇進争いの有力候補に浮上していた。秋場所は11勝すれば昇進の目安となる3場所33勝に到達できたが、暑さが苦手で夏場の調整に失敗。「水ばかり飲んでメシが食えなかった」と3キロも体重が落ち、秋場所は9勝。千秋楽の打ち上げパーティーでは後援会関係者が遠慮がちに話しかける姿を見て、情けない思いをした。「申し訳ない気持ちでいっぱいだった」。雪辱の場所に向け、食事など体調管理には人一倍気を使った。基本動作の徹底にも再確認し、稽古場には自分の足の形ができあがるほど、しこを踏み続けた。

 ここ2場所で19勝を挙げており、14勝すれば昇進目安の33勝に届く。この日、土俵下で見守った中村審判長(元関脇・富士桜)は優勝など目覚ましい成績を残せば昇進する可能性も否定しなかった。秋場所は自分より評価が低かった琴奨菊が意地を見せた。鶴竜は「自分の相撲のことだけ考えたい」と自然体を強調するが、無欲の快進撃から目が離せなくなった。

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2011年11月17日のニュース