伊代表に逆転負けも…カーワン日本、W杯に手応え

[ 2011年8月15日 06:00 ]

<日本・イタリア>後半、突進する菊谷(右)

親善試合 日本代表24―31イタリア代表

(8月13日 イタリア・チェゼーナ)
 ラグビーW杯ニュージーランド大会(9月9日開幕)に備えてイタリア遠征中の日本代表は13日、同国北部のチェゼーナでイタリア代表と親善試合を行い、24―31で逆転負けした。日本は序盤に2トライを許しながら、前半を17―14とリード。しかし、後半はモール攻撃で2トライされ、1トライを返して4点差に迫ったものの、競り負けた。日本は21日、W杯前最後の実戦で米国(秩父宮)と戦う。

 カーワン・ジャパンが仮想フランス戦で手応えをつかんだ。イタリアは3月の6カ国対抗でフランスに22―21で逆転勝利を挙げており、この試合はW杯初戦フランス戦(9月10日)を想定した一戦だった。日本は対イタリア5戦全敗となったが、同カードの最多得点を挙げて最少点差に持ち込む大善戦を演じた。北半球の強豪と接戦を演じたジョン・カーワン・ヘッドコーチ(46)は「W杯に向けて大きな経験」と本番へ自信を見せた。

 今季から導入したフラットなライン攻撃が機能した。0―14の前半22分。ラックから速い球出しで最後はSOアレジのキックにWTB宇薄が反応してトライを奪うと、28分に左LOから右へ展開し、サインプレーも決まってCTB平がインゴールに飛び込んだ。38分にはアレジのPGで勝ち越し。宇薄は「自分たちのスタイルはイタリアに通用した」と胸を張った。

 後半は相手の強力FWに密集戦を仕掛けられ後手に回った。4、17分にいずれも反則でタッチへ蹴られ、ラインアウトからモールでトライを奪われた。しかし、23分にモール攻撃で認定トライを奪取。33分にPGで突き放されたが、カーワンHCは「勝つチャンスもあった」と振り返った。フランカー菊谷主将も「あとは反則を少なくすればいい」と前を向いた。

 チームは東日本大震災の犠牲者を追悼する喪章を左腕に巻き、平均体重で約5キロ軽いFWはスクラムの劣勢を耐えて粘った。4年前の前回対戦は12―36の完敗。SH田中は「日本らしい戦い方で良い試合だった。これで1つレベルが上がった感じ」とうなずいた。フランス戦まで3週間余り。日本ラグビーを世界にアピールするための準備は最終段階に入った。

 ▼ロック北川 FWで結構やられた。セットプレーが安定すればバックスも安定するが、崩されたので、FWとしてはふがいない試合。

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