マブス悲願の初V!ノビツキー ドイツ人初MVP

[ 2011年6月14日 06:00 ]

優勝トロフィーを手に喜ぶマーベリクスの(左)からノビツキー、キッド、テリー

NBAファイナル第6戦 マーベリクス105-95ヒート

(6月12日 フロリダ州マイアミ)
 NBAファイナル第6戦は12日、フロリダ州マイアミで行われ、マーベリクスが敵地マイアミでヒートを退けて4勝2敗。同一カードだった06年ファイナル(2勝4敗)のリベンジを果たし、チーム創設31シーズン目で悲願の初優勝。6試合で156得点をマークしたドイツ出身のダーク・ノビツキー(32)が堂々のMVP。ヒートはフリースローを計13本外し、ビッグ3が機能しないまま敗れ去った。

 残り29秒。とどめのシュートを決めたノビツキーは右手を突き上げた。「どんなに劣勢になっても巻き返した。これは組織力がもたらした優勝だ」。第6戦は序盤で精彩を欠いたが、06年ファイナルを経験しているテリーがカバー。ドイツ出身の選手として初めてMVPトロフィーを手にした大黒柱は、苦楽を共にしてきた仲間と喜びを分かち合った。

 15歳でドイツ2部リーグでデビュー。98年にNBA入りし、マーベリクス一筋。ただ道のりは険しかった。06年シーズンのMVPだが、同年のプレーオフは1回戦敗退。2年前には交際していた女性が指名手配犯だったことが判明し、スキャンダルに巻き込まれた。しかし「若いころに優勝していたら猛練習はしなかった」と奮起。ターンして一本足で踏み切る独特のジャンプ・シュートは、防御不可能の領域に達していった。フリースローはファイナル6試合で46本中45本成功。この日だけで13本も外したヒートとの決定的な違いは、正確無比なシューターが1人いたことだった。

 マーベリクスといえば90年代は弱小チームの代名詞。しかしIT業界の異端児、M・キューバン氏が00年にチームを買収して流れが変わった。ファイナル史上、最年長の先発ポイントガードとなった38歳のキッドはネッツ時代にファイナルで2度敗退していたが、NBA17シーズン目で初優勝。多種多様な人間ドラマを満載した“トータル・リベンジ”となった。

 ≪マブス 11年連続プレーオフ出場で初戴冠≫06年はヒートが2連敗から4連勝。敵地ダラスで初優勝を決めたが、今回はマーベリクスが敵地マイアミで初優勝を飾った。マ軍は11年連続のプレーオフ出場で初戴冠。今季はディビジョン2位、地区3位から頂点にたどり着いた。

 ◆ダーク・ノビツキー 1978年6月19日、ドイツ・ビュルツブルク出身の32歳。98年ドラフト1巡目(全体9番目)でバックスに指名され直後にマーベリクスにトレードされた。2メートル13、111キロ。今季の平均得点は23・0。年俸は1728万ドル(約14億円)。

 ▼マ軍・キッド 長い旅だった。2度負けたけれど3度目には幸運が待っていた。(先発ポイント・ガードの最年長優勝選手。来季も現役続行)

 ▼マ軍・カーライル監督 身体能力に優れた選手はいないが、団結力はどこにも負けなかった。(セルティクスで優勝経験あり。選手と監督で優勝したのは史上11人目)

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2011年6月14日のニュース