実業団勢抑えた川内選手 世界選手権は「有給で」

[ 2011年2月27日 19:07 ]

東京マラソン

(東京都庁前~臨海副都心の東京ビッグサイト)
 フルタイムで働きながらランニングに取り組む川内優輝選手(23)が27日、東京マラソンで日本勢トップの3位と大健闘した。「給料の中からお金を払って陸上をやっている。限られた時間でも今のスタイルで記録を伸ばせる」と充実感に満ちた表情だった。

 学習院大卒業後の2009年春に埼玉県職員に採用され、春日部高の定時制で平日は昼から夜まで事務作業をこなす。昨年は4位に入ったことで実業団から誘われ「心が揺れた時期もあった」という。だが「自分は強豪校から強豪大、実業団へいく日本のエリート育成システムからの落ちこぼれ。働きながら自分で練習を決めて、市民ランナーでやっていくことにこだわった」と振り返る。

 全国的なランニング人気で「練習を1人でやっているようで1人ではない。多くの人から励まされる」と語る。合宿や遠征で年間70万円ほどかかり、3位の賞金200万円は「本当に助かる」。代表に決まった今夏の世界選手権(大邱=韓国)に向けて「有給休暇を取っていけたらいいかな」と笑った。

続きを表示

2011年2月27日のニュース