松島100メートル独走トライ!桐蔭学園が決勝へ

[ 2011年1月6日 06:00 ]

<桐蔭学園・大阪朝高>後半26分、相手のタックルを振り切り、100メートルを走り切ってとどめのトライを挙げる桐蔭学園・松島

 第90回全国高校ラグビー第6日は5日、大阪・花園ラグビー場で準決勝2試合が行われ、8日の決勝は2大会連続で同じカードとなった。初優勝を目指す桐蔭学園(神奈川第2)は大阪朝鮮高(大阪第1)に21―10で逃げ切り勝ち。エースのFB松島幸太朗(3年)が6点差に迫られた後半26分に100メートルの独走トライを決め、チームを2大会連続3度目の決勝進出に導いた。2連覇を狙う東福岡(福岡第1)は関西学院(兵庫)から6トライを奪って42―7と快勝し、2大会連続6度目の決勝に進んだ。

 大阪朝鮮高の息の根を止めたのは、南アフリカ出身の父を持つ松島の突破力だった。16―0から6点差に迫られた後半26分。ゴール前まで攻められ、松島の足はインゴールにかかっていた。CTB浜野のタックルからこぼれたボールを拾い大阪朝鮮高CTB金勇輝(キムヨンヒ)をハンドオフでかわすと、50メートル6秒1の快足を生かして100メートルを走りきった。「自分の最長トライで気持ちよかった。あれで勝ったと思った」と白い歯をのぞかせた。
 小さなFWの奮闘に勇気をもらった。FWの平均体重は大阪朝鮮高より約6キロ軽かったが、素早い集散でブレークダウン(ボール争奪戦)を制圧。「FWが頑張って前に出たんでタックルをしようと思った」。後半22分に大阪朝鮮高ロック南宗成(ナムジョンソン)の独走のピンチをタッチライン際に追い込んで防ぎ、守備でも魅せた。
 松島のパワーの源は大好物の「カムカムドリンク」だ。カムカムとはペルーのアマゾン川流域で栽培されている果実で、ビタミンCがレモンの約60倍も含まれており疲労回復に抜群。チームドクターによると、普通は4倍に希釈して飲むが、松島は2倍の濃さで練習後にがぶがぶ飲む。「全然疲れが残らなくなった」。試合終盤になっても100メートルの独走トライを決める体力が残っていた。
 決勝の相手は昨季決勝で5―31と完敗した東福岡に決まった。松島は中学時代、東京都スクール選抜で出場した全国ジュニア大会決勝で、東福岡のエース布巻が所属した福岡選抜に7―36で敗れている。高校進学後も含めると、昨年4月の選抜大会まで公式戦3連敗。「布巻をしっかりマークしてきょう以上のタックルをして勝ちたい」。天敵を倒し、97年度の国学院久我山以来13季ぶりの東日本勢優勝を飾る。

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