新たな“遼域”目指す…夢舞台へ「新兵器」

[ 2011年1月5日 06:00 ]

マスターズの招待状をうれしそうに見つめる石川遼

 男子ゴルフの石川遼(19=パナソニック)が4日、今年初戦となるアジアと欧州の団体対抗戦「ロイヤル・トロフィー」(7~9日、タイ・ホアヒン)に向けてタイに出発した。成田空港では昨年末に届いたマスターズの招待状をお披露目。2年連続予選落ちに終わっている夢舞台での優勝争いに向けて、原点回帰となる新ドライバーを準備していることを明かした。

 成田空港の会見場に石川は招待状を手に掲げながら入った。今年で3度目のお披露目となるが、いまだに早く見せたくて仕方がないという雰囲気。「毎年文面は同じだけど最後の日付が違う。届いてかなりホッとしてます」と浮き立つ心境を語った。
 今年のマスターズでの目標は、志を高くもって“優勝争い”と決めている。12月中も紅白歌合戦で開幕宣言を務めた大みそかまでトレーニングを行うなど、気を抜くことなく体を動かしてきた。そして、フィジカル面だけでなくクラブも進化を求めて新たな試みを行う。それが洋なし型のヘッドを採用した新ドライバーだ。
 石川は中学1年からプロ転向する前の07年シーズンまでの4年間、ソリッドコンタクツ社製の洋なし型1Wを使ってきた。プロ転向後はヨネックスの丸型となり、モデルチェンジやヘッド容積を450CCから380CCまでサイズダウンしたことはあったが、いずれも丸型のままだった。
 だが、今回の新モデル製作にあたっては、石川自身がトー側のふくらみが大きい洋なし型をオーダーしたという。「(洋なし型の)そのドライバーを振ってる時が一番気持ちよく振れていたので、もう1回試してみたい」。一般的に丸型よりもフェースを返しにくいために、左に引っかけるミスが軽減できる。ドローヒッターの石川にとって、不安なくボールを叩きにいける形状というわけだ。
 07年マンシングウェアKSBカップでのツアー最年少優勝もその1Wで成し遂げたもの。いわば原点に立ち返ってマスターズに備える。シャフトはグラファイトデザイン社の最新モデル「DJシリーズ」を装備。ヘッド容積はこれまでの380CCのものから、350CC、400CCと3種類を用意してテストする。今回のロイヤル・トロフィーには間に合わないが、2月の米ツアーから実戦投入してマスターズまでに仕上げていくつもりだ。
 「2011年は今まで自分が達したことのない域まで行きたい。今年も挑戦の年であることに変わりはない」と新年の決意を語った石川。マスターズでの予選通過と優勝争い、それ以外にも09年の4勝を上回る年間5勝以上の勝利数、2週連続優勝などすらすらと目標を並べ立てた。あくなき向上心と新しいドライバーを手に、今年も高いハードルに立ち向かう。

 ≪3年連続タイで新年初戦≫石川は今年もタイで新年初戦を迎える。アジア代表として臨むロイヤル・トロフィーは3年連続の出場。今回は日本ツアーで賞金王を争った金庚泰(キムキョンテ)(韓国)や池田勇太と手を組み、さらに薗田峻輔らも加えた若手主体の顔ぶれで欧州代表を迎え撃つ。タイから帰国後は例年通りにスキー合宿を行い、2月の米ツアー、ノーザントラスト・オープン(2月17日開幕、カリフォルニア州)から本格的に新シーズンをスタートさせる。

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2011年1月5日のニュース