“朝青龍より強かった男”低さを武器に上位狙う

[ 2010年3月3日 16:08 ]

新入幕を果たした身長1メートル67の磋牙司

 体が小さな力士を対象とした第2新弟子検査出身者では、豊ノ島に次いで2人目の幕内力士が誕生した。大相撲春場所(14日初日・大阪府立体育会館)で新入幕を果たした入間川部屋の磋牙司は身長1メートル67。公式な記録が残る1953年秋場所以降では、幕内タイ記録の小兵だ。

 静岡県三島市出身で、高校時代から活躍した。静岡・沼津学園高(現飛龍高)では2年生の時にインターハイで優勝。その時に準決勝で敗退したのが、春場所前に引退した元横綱朝青龍だった。
 子供のころは、身長が低いことに劣等感を持っていたという。中学時代には牛乳を毎日2リットル飲み、鉄棒にぶら下がった。涙ぐましい努力とは裏腹に背は一向に伸びなかった。力士として生きるために行き着いた結論が「低さを武器にする」ことだった。
 立ち合いで下から突き上げ、懐に潜り込むスタイルに磨きをかけた。頭で当たる稽古をくり返したために、額の部分の髪が薄くなったほど。師匠の入間川親方(元関脇栃司)は「大半の関取は160センチ台の力士との対戦に慣れてない。そこに勝機を見いだせる」と強みを説く。
 「努力すれば、小さい力士でも勝てることを証明したい」と磋牙司は言う。「小よく大を制す」は相撲の醍醐味。幕内の土俵でも体現できるか。

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2010年3月3日のニュース