貴乃花親方「改革」へ「意思統一」で突き進む!

[ 2010年1月21日 06:00 ]

取材に答える貴乃花親方

 2月1日に行われる日本相撲協会の理事選挙に、二所ノ関一門を離脱して立候補する貴乃花親方(元横綱、スポニチ本紙評論家)が20日、東京・中野区の貴乃花部屋で会見し「改革精神」を抱く支持者の拡大を訴えた。19日夜には同じく二所一門から離脱した間垣親方(元横綱・2代目若乃花)ら6人の“貴乃花派”と合流。会合で結束を固め、協会改革へ向けての第一歩を踏み出した。

 午前10時、部屋の玄関で会見した貴乃花親方の表情はすがすがしかった。自身を支持する6人の親方が一門を離脱したことについて「複雑な気持ちです。二所ノ関一門で長年やってきましたので、事実上の破門のような形で出るのはふがいないと思います」と心境を吐露。一門制は必要か、と問われると「現存する枠組みをないがしろにしてはいけないが、一門の先輩が築き上げた“改革精神”を広げることを忘れない、という思いです。意思統一を図って進めていきたい」と話した。貴乃花親方は、現状に不安を抱く若手親方らに後押しされ、一門を離脱しての出馬を決意。裏方さんの待遇改善など改革案を訴えているが、むしろ二所一門が継承してきた精神を忘れてはいないことを熱く訴えた。
 貴乃花親方は19日夜、二所一門会を途中退席した間垣親方ら6人と合流し、約3時間にわたり協議。6人の前で「1人の人間は強くない。しかし、意思統一があれば何か新しいものが生み出される」と決意を述べ、最後はそれぞれ弟子をしっかり育てていこうと誓い合った。6人は“破門”となってまで自分に従ってくれただけに「大変誇りに思います。土俵に上がってきた男たちですし、肌と肌を合わせて稽古をしてきた兄弟子もいます。言葉にできない信頼関係があると思います」と全幅の信頼を寄せた。
 時津風一門から理事候補として選出された鏡山親方(元関脇・多賀竜)がこの日、「一門の総意で出ます」と辞退の可能性を否定。理事10人の定数に11人が立候補し、投票による選挙が行われることが確実となった。投票総数は110票で、当選ラインの10票に達するには7人以外に3票を他の一門から集めるしかない。勝算について「あまり考えていません」と話した貴乃花親方は、「いばらの道は続きますが…」と問われると「しっかり歩いていきます」と答えた。一致団結した7人で戦い抜く決意が、言葉には込められていた。

 <貴乃花親方に聞く>
 ――新しい一門は。
 旗揚げは今のところ考えていません。票とか話題になっていますが、それはそれとして、やっていこうと思っています。
 ――選挙後に二所ノ関一門に戻るのか。
 事実上破門ということを聞いています。一門という枠組みは現存しますし、ないがしろにしてはいけませんが、ただ若い世代、私に近い40代前後の親方に枠を超えて良くしていこうという考えの方はいらっしゃる。
 ――理事になる目的は。
 きょうよりもあすという向上心の表れ。若い人や子供に相撲を愛してほしいとの思いもある。
 ――世論の支持も大きいと思うが。
 世論の支持は大事。これから7人が、大切に胸にしまっておかないといけません。だからといって大手を振っていいというわけでもない。

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2010年1月21日のニュース