朝青龍 ビジネスで日本本格進出可能に

[ 2009年4月29日 06:00 ]

稽古場ですり足を繰り返す朝青龍

 大相撲の横綱・朝青龍(28)が28日、日本における永住者の在留資格を取得したことを明かした。モンゴル出身力士としては旭鷲山についで2人目で、昨年9月から申請し27日に認められたという。朝青龍は高知・明徳義塾高へ相撲留学した97年から日本に居住し、07年に「継続して10年以上在留した外国人」という取得基準をクリア。07年12月の会見でも“永住権”取得の意向を明言していた。今後は毎年行っていた「興行ビザ」の更新も不必要となるだけに「手続きの時期が場所や巡業と重なることが多いから良かった。自分にとって大きなステップ」と話した。

 その一方で、朝青龍にとってさらに大きなメリットは「就業の自由」が認められることだ。引退後は相撲協会に残らないことは確実と言われており、横綱に近い関係者も「モンゴルと日本でのビジネスを視野に入れていることは明らか」と証言する。法務省の入国管理局も「永住が認可されることで、国内で自由に会社を立ち上げたり事業を行えるようになる」と説明。親族が経営するASAグループの日本本格進出など野望は広がる。
 夏場所(5月10日初日、両国国技館)で賜杯奪回を目指す朝青龍はこの日、東京・墨田区の高砂部屋で始動。しかし、痛めている左ひじの状態は芳しくなく、若手相手の稽古も右腕しか使わなかった。稽古後には「この状態なら無理だわ。できない。気持ちはバリバリだけどね」と複雑な心境を吐露。29日に行われる横審稽古総見での申し合い不参加は濃厚となった。

 ▽永住者 入管難民法が定める外国人の在留資格の1つ。「留学」「興行」などの資格と異なり、在留期間を更新する必要がなく、無期限で日本に在留できるほか、活動にも制限がない。「素行が善良」で、継続して10年以上在留していることが一般的な許可の要件。2007年には6万509人に認められた。

続きを表示

2009年4月29日のニュース