塚原が百メートルで10秒17 A標準を突破

[ 2009年4月29日 17:36 ]

男子100メートル 10秒17で優勝した塚原直貴(左)と2位の高平慎士

 陸上の世界選手権(8月・ベルリン)代表選考会を兼ねた織田記念国際は29日、広島広域公園陸上競技場で行われ、男子百メートルは北京五輪代表の塚原直貴(富士通)が世界選手権参加標準記録A(A標準=10秒21)を突破する10秒17で優勝した。2位の高平慎士(富士通)も自己ベストの10秒20でA標準を突破した。

 女子百メートルでは福島千里(北海道ハイテクAC)が追い風2・2メートルの参考記録ながら、11秒23の好記録で勝った。高橋萌木子(平成国際大)は11秒24で2位だった。
 女子ハンマー投げは室伏由佳(ミズノ)が61メートル50で優勝。室伏は円盤投げも54メートル20で制した。同百メートル障害の井村久美子(サニーサイドアップ)は右ひざの違和感を理由に棄権した。

 短距離王国のジャマイカ選手を参考にした新走法はまだ完成の域に達していない。追い風1・3メートルの好条件下、男子百メートルで10秒17をマークした塚原は「スタートで体が浮いたところが30点。後半修正してまとめられたところは80点。全体で50点の出来」と頭をかいた。
 従来よりストライドを広げ、ゆったりとした動きから加速する走りで確かに重量感を増した。序盤は体が浮いて高平に先行されたが「中間疾走で重心を落として修正できた」と冷静に語る。日本選手権で3連覇中の新エースとして「『ジャマイカ流』はいい感じで僕のオリジナル感覚に近づいている。後半焦らず、勝ったことが大きい」とプライドをのぞかせた。
 北京五輪男子四百メートルリレーで銅メダルを獲得した栄光から時は流れ、朝原宣治氏が引退し、末続慎吾(ミズノ)も長期休養中だ。「日本人初の9秒台」を今季の目標に掲げる23歳は自己記録の10秒15にわずかに届かなかったレースで「この走りの内容でこれだけ出ればいける」と手応えを感じ取った。「試合で調整する感覚」で試行錯誤を重ね、ボルトらジャマイカ勢が集結する世界選手権に挑むつもりだ。

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2009年4月29日のニュース