失敗覚悟?遼くん未完成スイングで勝負も

[ 2009年3月18日 06:00 ]

これが新フォーム!肩と足の位置を変えた石川遼のアドレス

 石川遼(17=パナソニック)が16日、米ツアー出場2戦目となるトランジションズ選手権(19日開幕)に向け、米フロリダ州タンパベイのイニスブルック・リゾート(7340ヤード、パー71)の本番コースで練習ラウンドを行った。だが、わずか1週間前に取り組み始めた新スイングでは不安定さを露呈。今大会やマスターズは不安を抱えたまま臨む可能性も出てきた。

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 自分の動作を確認してそろりそろりとアドレスに入り、右肩の下がった窮屈そうな姿勢から球をしゃくり上げるように打ち出した。左右に体重移動してダイナミックに体を回していた以前の姿とはまるで別人。前回の試合からわずか2週間のうちに、石川のスイングはまったく異なるものに変わっていた。
 「何千球打ってもまだ違和感はある。どうしても今までのアドレスに戻っちゃう。無意識にできるには、何万球も打たないといけない」
 渡米前に父・勝美氏が、岡本綾子やマーク・オメーラらを指導したことで知られるティーチングプロのマイク小西氏(63)に石川のレッスンを依頼した。勝美氏が同氏の著書「ゴルフボディーターンバイブル」を読み、一部を自らのスイング理論にも取り入れていたこともあり今回の依頼につながった。
 2月の米ツアーデビュー戦で海外選手の鋭いスイングを目の当たりにし「今の自分のスイングには満足していなかった」という石川も素直に改造を受け入れた。その結果、ドライバー、アイアンだけでなくパッティングの構えも新スイングに即したものに変わった。
 とはいえ、自ら違和感を口にしたように、改造開始わずか1週間で新スイングが身につくはずがない。球筋はまだまだ安定せず、勝美氏も「一時的に悪くはなるでしょう。常に綱渡りだし暗中模索。(うまくいくか、失敗するか)どちらに転ぶかは分からない」と“失敗”も覚悟していると語った。
 マスターズでは未完成の新スイングで苦戦する可能性が高いが、それも想定の範囲内。目先の結果を度外視したスイング改造は、石川が将来的にそのマスターズで勝つための大きな一歩にほかならない。

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2009年3月18日のニュース