イッキ大関キラー栃煌山!朝青龍先輩も倒せ!

[ 2009年3月18日 06:00 ]

<大相撲春場所3日目>千代大海(右)を押し出しで破った栃煌山

 大相撲春場所3日目は17日、大阪府立体育会館で行われ、自己最高の前頭2枚目に躍進した栃煌山が2日連続で大関を撃破した。前日の琴欧洲に続き、この日も千代大海を一気の速攻で押し出した。春場所は2年連続で11勝をマークしている22歳の“大阪男”は、4日目に横綱・朝青龍に初挑戦。2大関撃破の勢いで初顔29連勝中の最強横綱に真っ向勝負を挑む。関脇・把瑠都に土がつき、全勝は両横綱と平幕の黒海、山本山、木村山の5人となった。

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 自信という鎧(よろい)をまとった若武者が、大関の圧力をいとも簡単にはね返した。千代大海を一気に押し出した栃煌山は土俵上で仁王立ち。「(前日)大関に勝って自信になった。きょうも気持ちで負けないようにと思った」と胸を張った。
 自己最高位で迎えた春の陣。前日の琴欧洲戦で大関戦初白星を挙げた勢いは本物だった。大関の当たりを受け止め、その瞬間、右をねじこむ。相手が苦し紛れに引いたところを逃さず、一気に前に出た。
 明徳義塾高時代に数々のタイトルを手にしプロ入り。いかし、上位の雰囲気にのまれ、自分を失っていた。その苦い経験を糧に今場所は精神面でも成長。「今場所は集中できているし、立ち合いが踏み込めている」と好調の要因を口にした。
 入門当時から春場所だけは抜群の相性を誇っている。2年連続で11勝をマークするなど通算35勝12敗で、勝率は・745。朝青龍の・818には及ばないが、横綱級の強さを誇っている。その秘けつを問われると「大阪では、ご飯がおいしく食べられる。春場所だけ、体重が減らないんです」とはにかんだ。
 18日の4日目は、高校の先輩・朝青龍と初対戦を迎える。相手は初顔29連勝中だが「稽古では勝てないけど、思い切ってぶつかるだけ」と無心をアピールした。母・雪絵さんも「角界に入ってから常々対戦したいと口にしていた人。胸を借りるつもりで頑張ってほしい」とエール。「30番目」の刺客が、虎視たんたんと牙を研ぐ。

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2009年3月18日のニュース